KMC Schedule
84th KMC
9月23日(Sat)
受付:13:15
開始:14:00
参加費:1000円
会場:港区民センター
最寄り駅:地下鉄中央線、JR環状線「弁天町」下車 徒歩7分

[[今後の予定を更に見る]]


関西レガシーカレンダー(間違っていても責任は負いません。)
83th KMC Final Movie

【コラム】イニストラード・トップ10

レガシーのお祭り、エターナルフェスティバルも終わり涼しくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
季節の中では秋が一番好きなぐーんです。

新エキスパンションのテーロスが発売され、新しいデッキを構築しはじめた方も多いと思いますが
今回はいつもと趣向を変えてイニストラードブロックのカードを和歌ロックさんと一緒におさらいしてみました。
ブロック落ちがないレガシーではスタンダードと違って使えなくなるわけではないのですが
1つの区切りとしてみていきたいと思います。

今回は僕と和歌ロックさんが事前にイニストラードと基本セット2013のカードから10枚を選び
それらを順位付けして対談に臨んでいます。
お互いが選んだ10枚は直前まで秘密にして話を始めました。ではお楽しみください。







高田馬場 某ファミレス



ぐーん
今日は忙しい中時間作ってくれてありがとう。よろしく!

和歌ロック
こちらこそ、よろしくお願いします。

ぐーん
それじゃ、早速だけどお互いのトップ10出し合いますか。

和歌ロック
いいよ。

ぐーん
はい、それじゃドン!!



ぐーんのトップ10】

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1:《グリセルブランド/Griselbrand》
2:《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
3:《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
4:《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》
5:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
6:《終末/Terminus》
7:《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
8:《全知/Omniscience》
9:《未練ある魂/Lingering Souls》
10:《魂の洞窟/Cavern of Souls》魂の洞窟

Border_1.jpg



【和歌ロックのトップ10】

Border_4.jpg
1:《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
2:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
3:《グリセルブランド/Griselbrand》
4:《終末/Terminus》
5:《魂の洞窟/Cavern of Souls》
6:《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
7:《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
8:《全知/Omniscience》
9:《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》
10:《炎の中の過去/Past in Flames》

Border_1.jpg




ぐーん
…やっぱり上位3つはそうなるよね。

和歌ロック
うんうんうん、でも大体一緒だね。

ぐーん
まーね、ぶっちゃけそこまで変わらないだろうな、とは思っていた。

和歌ロック
しかも選出するときの要素も一緒だ。

ぐーん
こっちが「環境への影響度>カードパワー>使用される頻度」で
和歌ちゃんが「デッキ強化度、複数のデッキで使われているか、メタゲームを動かしたか」

和歌ロック
使用頻度っていうとちょっと変わるのかもしれないけど
カードパワーって言うのがこっちのデッキ強化度に相当するんだと思う。

ぐーん
じゃあ、下位の方から見ていこうか。




炎の中の過去/Past in Flames》(ぐーん:選外 和歌ロック:10位)

ぱst



ぐーん
俺の方では入れてなかったけど・・・

和歌ロック
ANTが別物になったよ。

ぐーん
そうだね。

和歌ロック
ぐーんの評価基準の中でカードパワー、こっちではデッキ強化度に相当するんだけど
特定のデッキでしか使われていないカードでも、影響が強ければランキングに入れてみている。
ビヒモスなんかもそうなんだけど。

ぐーん
実際、パスト入ってからの一時期、ANTヤバかったもんね。SCG、毎週ANTが上位にのっていた。

和歌ロック
入った一番最初は《不正利得》とどっち強いんだろうって話をしていた…んだけど、結局全部パストになったよね。

ぐーん
《不正利得》と比べると使い易いからね。
《不正利得》が対戦相手に《Force of Will》上げちゃうリスクがあったのに比べると。

和歌ロック
《不正利得》が青に弱いのに対して、パストは青に強いカードだから。

ぐーん
そしてハンデスにも強い。

和歌ロック
そうだね。

ぐーん
やっぱフラッシュバックはあかんね。

和歌ロック
なんでフラッシュバック付けたんだろうな。
まぁ、フラッシュバックなければそこまで使われなかっただろうけど。

ぐーん
本当に気持ち悪い動きするもんね、あれ。

和歌ロック
《Force of Will》2セットぐらいなら簡単に突破できる。
ANT側からのハンデス1枚で《Force of Will》を1枚抜いてLEDを絡めたパストの表裏で追いつけなくなる。
LEDとパストの2枚だけで青には勝てると考えられるのは本当に強い。
*LED=《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》の略称。

ぐーん
手札破壊を使う側からしても、ANT側の手札に《冥府の教示者》があるのは別に怖くない。
それを落としてしまえば大丈夫だからね。
でもパストがあるとハンデスが半分無意味な行動になるのが怖い。

和歌ロック
最強なのがさ、チューターなくてもスタート出来るところ。

ぐーん
あれね。

和歌ロック
墓地にドローソースがある状況でLEDから青出してからパスト撃つと
ドローソースを連打出来て、チューターを探せる。

ぐーん
まぁ《ヨーグモスの意志》の再来と呼ばれるだけはある。

和歌ロック
だから汎用性が低くても、ANT強化への貢献度が本当に高いから俺はこの順位だね。








未練ある魂/Lingering Souls》 (ぐ:9位 和:選外)

りんりん



ぐーん
このカードは今の環境考えるならとても強いカードだと思う。ミッドレンジ※1
同士の戦いでプレインズウォーカーを攻めたり守ったりする時に本当に強く感じる。

和歌ロック
カード単体の強さで考えたらめちゃくちゃ強いんだけど、ただ、コンボに弱いのがね。

ぐーん
それは間違いない。

和歌ロック
石鍛冶デッキでメインから取ってる場合もあれば、サイドに控えていることもある。
メインから投入しても充分強いカードだけど、結局コンボに対しては何もしないから俺は選外にしてる。

ぐーん
個人的にはカードのデザインがすごい好きなんだよね。

和歌ロック
…あれさ、リミテッドで2枚取れたことあってw

ぐーん
wwww

和歌ロック
もう、それだけで勝てた。

ぐーん
1/1飛行が4体並びます、ってインベイジョンの頃5マナかけてやってたこと※2じゃんね。

和歌ロック
しかも、基本地形を5種類並べなくちゃならない。

ぐーん
そうそう。それが、表3マナ、裏2マナ。カウンターにも強いしハンデスにも強い。
そのうえ単体除去、全体除去どちらにも耐性がある。

和歌ロック
闇の隆盛が出て少し後のグランプリでTom Martell※3が《未練ある魂》を4枚とって優勝してたじゃん。
《直観》1枚入れて。

ぐーん
あぁ、《陰謀団式療法》をサイドに積んだやつ。

和歌ロック
そう、あれがめちゃくちゃ強かった。

ぐーん
これが流行ってから《硫黄の精霊》が評価上げたり。

和歌ロック
Tom Martellが優勝したグランプリでトップ8のRUGが《硫黄の精霊》をサイドに1枚積んでたのが印象的だった。
ちょうどその頃ってRUGが流行って、その対抗馬としてマーベリックが出てきて
その後に《未練ある魂》が出たじゃん。
《硫黄の精霊》って《未練ある魂》とマーベリックのどっちにも効くカードだったからやっぱ先見の明があるなぁ・・・って。

ぐーん
さすがはプロプレイヤー。








スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》 (ぐ:4位 和:選外)

さりあ



ぐーん
そう言えばサリア入ってないよね、そっち。

和歌ロック
そうだね。
サリアは《未練ある魂》と近い。デッキの顔ではなくて脇役ってイメージがある。

ぐーん
え、そうかな?

和歌ロック
脇役じゃない。

ぐーん
いやいや、マーベリック※4をトップメタにしたのはサリアでしょ。
イニストラードで《炎の中の過去》が出て、ANTが最強デッキだった頃があったじゃん。
それを打ち破ったのは間違いなくサリアさんじゃない?

和歌ロック
ああ、そうだね。ANTを駆逐した感じはある。

ぐーん
単体性能で見ても、2マナ2/1先制攻撃に付けちゃダメでしょ。

和歌ロック
確かにサリアが出たこ事によってデスタク※5とかが日の目をみた。デスタクとか…

ぐーん
半分ネタデッキだったのにね。

和歌ロック
いや、本当に。

ぐーん
サリアだけの影響じゃないけど、普通のビートダウンがコンボに勝てる様になったって言うのは
エポックメイキングだった。
ゴブリン然り、デスタク然り、まあマーベリックがその典型なんだけど
それまでビートダウンってZooにせよ何にせよANTとかリアニメイトに勝てないから
それは諦めて勝てる所に勝っていこう、って言うデッキだったはずなんだけど、それが一変した。

和歌ロック
ああ、確かに。

ぐーん
《不毛の大地》《リシャーダの港》で縛って、その上からサリアを出すっていう動きは
コンボだけじゃなくコントロールにも強いじゃん。

和歌ロック
生きている《アメジストのとげ》だからね。重ね張り出来なくてよかったわ。

ぐーん
今だったら自分と相手で重ね張りできるよw

和歌ロック
まぁ、そうだけどw

ぐーん
コンボに勝てるビートっていうコンセプトの中心にいるカードだから、俺はこの順位上げてもいいと思ってる。
まぁ《瞬唱の魔道士》を差し置いているのは俺の趣味なんだけど。








魂の洞窟/Cavern of Souls》 (ぐ:10位 和:5位)

たまくつ



ぐーん
それじゃ、次これいこうか。

和歌ロック
うん、《魂の洞窟》。俺これ5位なんだよね。

ぐーん
また使用頻度の話になるけど、このカードが4枚使われるデッキがゴブリンぐらいで
他ではマーベリックやMUDで使われるぐらいだからこの順位にしたけど、書いてあることはまぁおかしい。
・・・イニストラードのカードって「この一文なくてよかったんじゃない」とか
「この一文加えなくてよかったの?」と思うカードが多いよね。

和歌ロック
このカードが入るようになってマーベリックがRUGに有利つくようになった。
それまでも《聖遺の騎士》を出せば勝ちっていうのはあったけど
それをカウンターで対応出来たからそこまで怖くはなかったんだけどね。
ただ、最近の黒をタッチするマーベリックにはあまり採用されていないかな。

ぐーん
使いにくい部分のある土地ではあるね。でもこのカードでゴブリンはさらに青に強くなった。

和歌ロック
ゴブリンもマーベリックと同じでRUG的にはそこまで相性キツくないイメージだったけど
こいつのせいで《霊気の薬瓶》をカウンターしたとしても
後続のゴブリンをカウンター出来なくて負けるパターンが増えた。

ぐーん
あと《魂の洞窟》が本当に強いと思ったのは、対コンボに対する1ターン目の《ゴブリンの従僕》
そこから《ゴブリンの戦長》に繋ぐ最速パターンが決まり易くなった。

和歌ロック
それ以外でも、なんだっけ?あのバウンスするゴブリン。

ぐーん
《棘鞭使い》?

和歌ロック
そう、《実物提示教育》に対して、手札に《棘鞭使い》がなくても《ゴブリンの女看守》を合わせて
次のターンに《魂の洞窟》から安全に対処出来るのが強いね。

ぐーん
実際このカードを入れてから対ショーテル限定だけど、対コンボのメイン戦で絶望する程じゃなくなった感じはあるね

和歌ロック
その分さ、特殊地形が多くなって、赤単なのに。

ぐーん
《魂の洞窟》入れて《不毛の大地》入れて、《リシャーダの港》入れて・・・
更にタッチで《Taiga》とか入れると《山》が3枚とか全然あるから
この事も含めて無色しか出せないタイミングがあるのが問題点で同じ部族でも
マーフォークやエルフに入らないのが気になって、順位を落としているのはあるかな。

和歌ロック
エルフはクリーチャーを1体だけ出すことにあまり意味がないからね。
マーフォークみたいにカウンター使ったり《行き詰まり》置いたりするデッキだと
どうしても《変わり谷》を優先してしまうだろうし。

ぐーん
デッキの構成を要求してしまうカードってことで個人的にはこのラインが妥当かな、と。

和歌ロック
でもやっぱり1ターン目《ルーンの母》はやめてほしい。








孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behimoth》(ぐ:選外 和:9位)

びひもす



ぐーん
次はこれかな。登場した頃は全然目立ってなかったというか・・・。

和歌ロック
いや、無視されてたね。

ぐーん
新ラヴニカが入って、《死儀礼のシャーマン》※6の影響でエルフが注目されてからのカードという印象。

和歌ロック:そうそう、結局《死儀礼のシャーマン》の影響が一番大きいかな。

ぐーん
死儀礼が出てエルフが強化されて《自然の秩序》から持ってくるカードを探してた所に白羽の矢がたった感じ。

和歌ロック
でも《自然の秩序》からのフィニッシャーと言うと《大祖始》が挙げられると思うんだけど
実際、《大祖始》ってそれ1枚で勝ち確というわけじゃなかったんだけど
《孔蹄のビヒモス》だったらそのターン中に勝てるのがとても大きい。

ぐーん
確かに。

和歌ロック
エルフの構造がまるっきり変わった。そういう意味ではANTの《炎の中の過去》に近い部分がある。
だからランキングでも《炎の中の過去》と近い場所に付けている。

ぐーん
それまでの《大祖始》が、まぁ意外とどうにかなるクリーチャーではあったからね。

和歌ロック
《殴打頭蓋》がいれば殴り合いができるし。

ぐーん
このカードは良い居場所を見つけたよね。

和歌ロック
あとね、《大祖始》は素引きがマジでヤバいww

ぐーん
確かに、大事な場面でトップして負けるパターンってよく見る気がする。

和歌ロック
それと違って、《孔蹄のビヒモス》はハードキャストが出来る。
手札からの《孔蹄のビヒモス》が何と言うかANTの《炎の中の過去》に近い理不尽さを感じる。
エルフって普通に8マナ出せるデッキだから《自然の秩序》を打ち消しました
じゃあ手札にある《孔蹄のビヒモス》出しますって言うのがコントロールの側からすると本当に理不尽。

ぐーん
《孔蹄のビヒモス》が出てオーダー型エルフが主流になって
《垣間見る自然》を打ち消されても別に問題ないよね、って言える様にになったイメージがあるけど。

和歌ロック
二段構えを取れるようになったのはデカイね。
それまでは《垣間見る自然》さえ打ち消していれば取り敢えず安全だったのが
その後の《自然の秩序》もケアしなくちゃいけなくなってしまって油断できなくなった。

ぐーん
エルフ側から見ると、どんなに妨害されても最後に《自然の秩序》さえ通せば勝てるって言うのは
目標として分かり易いしね。

和歌ロック
たとえコンボが繋がらなくてもビートダウンで勝てばいい、ある程度のクリーチャーさえいれば
どんな盤面からでも一発逆転がねらえるのがオーダー型の長所だね。
それまでのデッキの構造を変えてしまったっていうのが、このカードをランクインさせている最大の理由。








全知/Omniscience》(ぐ:8位 和:8位)

ぜんち



ぐーん
じゃあ、次はこのカードかな。7位、8位は一緒なんだよね。

和歌ロック
大体ここら辺になるかな、と思った。言うて、あんまり使われてないんだけどね、実は。
インパクトで入ってるところがあるかな。

ぐーん
そうね、あとM13から1枚入れたかったのもある。
このカードは「使ってみろ」っていうウィザーズからの挑発を感じるカードなんだけど。

和歌ロック
出た時びっくりしたよ。たまに出る「ルールぶっ壊し」カード。

ぐーん
基本セットでぶち込んできたか、という。

和歌ロック
テキストだけだと基本セットっぽさもあるんだけどね。

ぐーん
マナコストを気にせずにカードパワーだけで見ると、ランキングの中でもぶっちぎりですね。

和歌ロック
《実物提示教育》で出した時、一番強いカード。
でもそれまでのスニークショーと比較すると、3枚コンボになってしまうという弱点はあるんだけどね。
《全知》を出しても後続の弾がなくて負けるパターンが少なくない。
まぁ、それはスニークショーがクリーチャー引けずに負けるのと同じなんだけど。

ぐーん
でもスニークショーと違って《全知》にはドローソースをフリーで撃ちまくるっていう裏技があるじゃん。

和歌ロック
ドローソースは《全知》を設置するまでに使い切ってるのが普通でしょ。
相手のハンデスやカウンターを気にしながらドローソースを温存するのは結構難しいよ。

ぐーん
ああ、確かに。

和歌ロック
スニークショーと比較して《全知》が優れているところは色が1色少なくて済む所だね。
色の管理に手間をかけなくて済む分、《不毛の大地》からの影響が減るし
《水蓮の花びら》みたいなスロットを他のカードに充てられる。

ぐーん
単色に出来るのは《無限への突入》のお陰も大きい気はするけど?

和歌ロック
そうね、あのカードの存在で単色化という舵きりが出来るところはある。
何にせよ《全知》の面白い所は新しいデッキの可能性を作ったところにあると思う。
イニストラードブロックのカードって基本的にレガシーの既存のデッキを強化するものが殆どなんだけど
このカードだけが全く新しいデッキを生み出したのはかなり重要だと思うよ。

ぐーん
関東では何故かあまり見ないよね《全知》
スニークショーに数枚タッチしたデッキは時々見るけど《ドリーム・ホール》まで入れたタイプは殆どいない。

和歌ロック
《ドリーム・ホール》がね・・・どうしても弱いから。

ぐーん
でも、青単全知は《ドリーム・ホール》あってこそのデッキでしょ。
あれから《無限への突入》をキャストすれば勝てるわけだし・・・
何かこう言うと《全知》じゃなくて《無限への突入》が強いみたいだww

和歌ロック
《無限への突入》が出る前は《燃え立つ願い》で頑張ってたデッキだからね。








聖トラフトの霊/Geist of Siant Traft》 (ぐ:7位 和:7位)

trft



ぐーん
次はトラフトさん。

和歌ロック
トラフトね。

ぐーん
ここからいよいよ大物ですよ。

和歌ロック
でも、トラフトって汎用性の点で他の上位のカードに劣るから、この位置にいる感じ。
色さえ合えばどんなデッキにでも入るかっていえば、絶対にそんなことはない。

ぐーん
ある程度梅雨払いは必要だからね。
単体では2/2で、一回限りの本体限定4点火力と考えると3マナは少し重い。
ただ適したデッキで機能し始めると3ターンでゲームを終わらせるからね、こいつは。

和歌ロック
青白になかった打撃力を一気に改善させた点で、デッキを強化したと思う。

ぐーん
エタフェス2011で土屋さん※7がベスト8に入ったデッキ、あれが
トラフトを最初にフィーチャーしたデッキだったと思う、あれは本当に良いデッキだと思った。

和歌ロック
・・・あれ、俺が作ったリストなんだよね※8

ぐーん
え!?

和歌ロック
俺が作ったっていうと言い過ぎなんだけど、あの頃《石鍛冶の神秘家》がすごい流行っていて
でも俺があんまり《石鍛冶の神秘家》好きじゃなくて、んで土屋さんに「こんなんどう?」って送ったのがあれ。

ぐーん
リスト作った本人は青赤のコントロールで突撃してたわけですけど。

和歌ロック
いや、青赤コンでも6−3はしたよ。

ぐーん
まぁ取り敢えずトラフトに話を戻すと《全知》程ではないにせよ
新しいデッキを開拓したカードだと思うんだけけど、どう?

和歌ロック
そうだね、去年のエタフェス優勝デッキもトラフトとデルバーを組み合わせた青白テンポだったしね※9
それまで青白っていう色がコントロール寄りの石鍛冶デッキだったのが、攻撃的なデッキを作れる様になった。

ぐーん
単体で見ても弱くないんだけど、入れる事によってデッキの方向性が決める事が出来るカードって言うイメージ。

和歌ロック
最近だとパトリオットがメジャーになってきた。
国内だと《若き紅蓮術士》を試す人が多いみたいだけど、海外だとデルバー、トラフト
《瞬唱の魔道士》辺りが鉄板で人によって《渋面の溶岩使い》《石鍛冶の神秘家》を入れたりするのが普通らしい。

ぐーん
白赤って言う《剣を鍬に》と《稲妻》が使えるデッキにあったクリーチャーだよね。
呪禁を持っているから通り道さえあけられれば簡単に無双が出来る。
そこを環境の二大除去でサポートするのはすごい理にかなっている。

和歌ロック
除去が多いデッキだからこそ輝く。

ぐーん
スタンダードでは呪禁バントっていう鬼っ子を作ってしまったカードなんですが。

和歌ロック
あれはなんか・・・すごいよね。

ぐーん
スタンダードって基本的にフェアな環境なんだけど、呪禁バントだけ違うゲームをやっている。








《終末/Terminus》 (ぐ:6位 和:4位)

終末



和歌ロック
やっぱ来るよね。

ぐーん
同じ奇跡のカードとして《天使への願い》も候補に入れていたんだけど
メタゲーム事情とか考えるとこっちの方がトップテンに相応しいかな。

和歌ロック
デッキのコンセプトに近い場所にいるしね。新しいデッキというと言い過ぎかも知れないけど・・・。

ぐーん
CTデッキ10のコンセプトを変えてしまった。

和歌ロック
そうそう、CTデッキがコントロールに戻った。
昔のCTGっていったらクロックパーミッションだったからね。土地20枚だから。

ぐーん
《師範の占い独楽》と奇跡の相性が本当に良かったから、すんなりとCTに入っていった。
あと《渦まく知識》と《精神を刻む者ジェイス》があるから手札に来ても腐らない。

和歌ロック
相手のエンドに《終末》キャストして、返しのターンで《精神を刻む者ジェイス》のパターンも強いしね。
2枚で勝てるよ!!

ぐーん
あと《終末》で印象深いのは、ちょっと前の話に戻るけど
イニストラードでパストを獲得したANTが流行して、闇の隆盛でサリアを獲得したマーベリックがそれを駆逐して
環境のメタがRUG対マーベリックの二極化になった時期があった気がするんだけど・・・。

和歌ロック
実際に一時期はそうだったよ。

ぐーん
《終末》が入った奇跡デッキが流行しはじめてマーベリックが逆に駆逐される側に回ってしまった。
このブロックだけでレガシーのメタがぐるぐる回った印象があって、それでランクインさせた部分もある。

和歌ロック
《終末》のせいだよね、マーベリックが減ったのって。
でも最近はまたミラクルが減ったのとか、黒をタッチしたってのもあるけど少しずつ増えてきている。

ぐーん
なんにせよこの1枚で苦しめられているデッキが少なくないのは事実だね。

和歌ロック
RUGでも辛いもん。

ぐーん
単純にカードの効果見ても《神の怒り》の系譜の中でも最上位レベルなのに
それをインスタントタイミング且つ、1マナでやられるのはビート側からすれば理不尽以外の何ものでもない。

和歌ロック
登場した当初は他の奇跡カードの《時間の熟達》とかの方が有力視されてたよね。

ぐーん
そういえば、そんなカードもあったねぇ・・・

和歌ロック
実際に蓋をあけてみると《終末》の方が使われている。レガシーでは周りのカードが強すぎたね。
スタンダードでは奇跡するのにはナチュラル奇跡しか許されていないってのを考えると雲泥の差だよ。
ビートダウンデッキは《終末》には勝てない。
まぁ、最近だとビートダウンっていうカテゴリそのものが絶滅危惧種なんだけど。

ぐーん
ビートダウンではあっても、ミッドレンジ的に器用に盤面に触れるデッキが増えているね。








ヴェールのリリアナ/Liliana of the Vale》 (ぐ:3位 和:6位)

ヴェアリアナ



ぐーん
リリアナはラヴニカに入ってからの本気出したカードって感じかな。

和歌ロック
うん、3ターン目のリリアナよりも2ターン目のリリアナの方が強いからね。
このカードは発表された当初は地味な印象だったけど・・・。

ぐーん
実際に他のプレインズウォーカーと比べるとやっていることはすごく地味だよ。

和歌ロック
使われてみたらすごく強かった。

ぐーん
状況によっては1枚だけでロックかけられるカードだからね。
お互いにリソース削り合ってから出されると、本当に何も出来なくなる。

和歌ロック
ジャンドとかBUGを陰で支えている1枚。
もちろんジェイスと比べるとやっぱり地味なんだけど、あいつ3マナなんだよ。
3マナのプレインズウォーカーにしてはやっぱり破格だよ。

ぐーん
ジェイスってなんだかんだいって4マナだから、もちろん出たら強いんだけど
半分出させた方が悪いっていう所があるじゃん?
でも、リリアナに関しては3マナだから意外と簡単に場に出ちゃう。

和歌ロック
そうそう。相手の初動を潰して、その後は延々と手札を捨てさせて。
2回エディクト撃てれば大体のデッキには勝てるからね。

ぐーん
単純にレガシーのメタゲームにあっていたのも大きかった。
スニークショーみたいなデッキに強いカードだし、そうでなくても
+1能力を連打してるだけでコンボやコントロールは辛い。
今のレガシー環境でジェイスとまともに戦えている唯一のプレインズウォーカーじゃないかな。

和歌ロック
最近だとエスパー石鍛冶に入ってるリストもあるね。

ぐーん
リリアナは環境変えたわけじゃないんだけど、カードとしてのデザインが秀逸。
この1枚に黒がやりたいことが全て詰め込まれていて、そういう所が好きってのもある。

和歌ロック
デッキの顔ではないんだけど、使われてみないと分からないタイプの強さを持ったカード。








瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》 (ぐ:5位 和:3位)

SCM



ぐーん
リリアナの顔じゃないって所から話を伸ばすと《瞬唱の魔道士》も微妙に顔で感じがして5位に付けてみたけど・・・

和歌ロック
そうか?

ぐーん
違うかな?

和歌ロック
エスパー石鍛冶だと《瞬唱の魔道士》って《石鍛冶の神秘家》よりも顔だと思うよ。
最近のデスブレードだとちょっと違うけど、純正のエスパー石鍛冶は実質、瞬唱デッキだと思う。
あのデッキって軽いスペルを《瞬唱の魔道士》で使い回すデッキだから4枚入ってる。
最近のデスブレードだと《死儀礼のシャーマン》と《闇の腹心》を取るから採用率が下がってるけど。

ぐーん
昔のカードと比較するんだったら、少し役割違うけど《Regrowth》とか《永遠の証人》あたりかな。

和歌ロック
ね。

ぐーん
ねぇ。

和歌ロック
2/1のボディついてるからなぁ。《石鍛冶の神秘家》だとクリーチャーであるってだけで凄い偉いんだよねえ。
しかもインスタントタイミングで

ぐーん
2ターン目に《石鍛冶の神秘家》出して、そこに除去を撃たれたとしても
相手の3ターン目のエンドに《瞬唱の魔道士》出して《渦まく知識》か《剣を鍬に》をリサイクルして
次のターンに《梅澤の十手》担いで殴りにくるからね、やられる方からしたら悪夢でしかない。

和歌ロック
本当にね。あと色んなものの水増しになるのが偉い。
これ1枚でカウンター、ハンデス、除去、ドローの全てになれる。
対ビートダウン、コントロールではもちろん、対コンボでも2/1のボディがあるからやっぱり強い。

ぐーん
使い易さも含めた万能性で言ったらこの中でも飛び抜けてる。
デッキにスペル主体であることは要求するけども・・・、なんか可笑しいよね。

和歌ロック
マナコストも可笑しいし、パワーが2もあるし、瞬速ついてるし。

ぐーん
なにもかもが可笑しい。

和歌ロック
さすがはインビテーショナルカード。

ぐーん
そう言えばそうだったっけ。

和歌ロック
最近は《闇の腹心》に、また別のインビテーショナルカード※11に押されてる感じはあるけれど。
・・・デスブレードだと《瞬唱の魔道士》より《闇の腹心》の方が採用率高いかな?
なんでかはよくわからないけど。

和歌ロック
《瞬唱の魔道士》と《闇の腹心》の比較は難しいね、どっちも強すぎて。
スタンダードでも《瞬唱の魔道士》はよく使われていたけどレガシー環境の《瞬唱の魔道士》を見てると
まぁ比べるのも可笑しな話だけど、やっぱり比べ物にならないほど強い。

和歌ロック
1マナのカードの密度が違うからね。いや、本当に《精神的つまづき》と一緒に使えなくてよかったよ。

ぐーん
まったく。

和歌ロック
もしも被っていたら、まずコンボが確実に死ぬ。そしてカナスレも余裕で死ぬ。
《精神的つまづき》だけでもしんどかったのに。

ぐーん
Zooやゴブリンみたいなビートダウンもまず無理だろうね。

和歌ロック
結局、石鍛冶デッキのミラーが多発する環境になっていたでしょう。良かった良かったw

ぐーん
良かった良かったw








グリセルブランド/Griselbrand》 (ぐ:1位 和:2位)

グリセル



ぐーん
残るはビッグツー。まずは《グリセルブランド》からいきますか。

和歌ロック
個人的には《グリセルブランド》ってリアニメイトかスニークショーでしか使われないから
デルバーに1位を譲ったけど、間違いなく強いよね。

ぐーん
それまでレガシーのコンボデッキといえばANTだった所を、がらっと変えた印象があって
そういう所からも《グリセルブランド》は1位かな。

和歌ロック
今レガシーのコンボといったらスニークショーだね、まず間違いなく。
2ターン目《グリセルブランド》だけで大体のデッキに勝てるから。勝てるデッキ存在しないもん。

ぐーん
まぁ・・・ないだろうね。
それこそショーテルに《忘却の輪》とか《絶望の天使》を合わせない限り。

和歌ロック
7ドローはやり過ぎだよw

ぐーん
頭悪いよね。
個人的に今レガシーで一番禁止に近いカードって何って言ったら、多分これだと思う。
だってバーゲン※12禁止されてんだよ。

和歌ロック
そこだよね。つまり《ヨーグモスの取り引き》は帰ってきても良いってレベルだから。

ぐーん
あと《グリセルブランド》は、なんであれ絆魂ついてるの?

和歌ロック
じゃないとシナジーしないじゃん。

ぐーん
いやダメでしょ、あの絆魂は。

和歌ロック
1枚で完結してるよね、『7』で統一されたデザインも良いし。
《グリセルブランド》が出てリアニメイトも強くなった。

ぐーん
個人的には《再活性》と相性がそこまで良くないから《核の占い師、ジン=ギタクシアス》だったのスロットを
完全に奪うことは無いと思っていたんだけど。

和歌ロック
回復すれば相性悪くないじゃん。

ぐーん
このカードも色んなカードと比較出来ると思うけど
-例えば《引き裂かれし永劫エムラクール》《大祖始》《核の占い師ジン=ギタクシアス》だったり。
でも相手が何持っているのか分からない状況で一番《実物提示教育》から出したいのって
やっぱり《グリセルブランド》だよね。

和歌ロック
まあ丸いよね。14枚引けば《グリセルブランド》自体が除去されてしまってもいい。
《剣を鍬に》に至っては、撃たれ得ですらある。

ぐーん
《剣を鍬に》が悪いわけじゃないだけに可哀想だ。

和歌ロック
あと《グリセルブランド》はグリセルシュートっていう新しいデッキ作った点でも特別だね。

ぐーん
あれは新しかった。
いや、新しいと言うか、なんでリアニメイトとストームがくっ付いてしまったのか。

和歌ロック
昔から中身が似てるっていわれてけどね。
リアニメイトのサイドからストームになるデッキを見たことあるし。
《コーリスの子》って言う相性が良いカードがあったのも大きいけど。

ぐーん
8マナとは言え、やり過ぎた感が抑えきれない。

和歌ロック
しかも普通は8マナでは出さないからね、基本踏み倒される。
さっきの挙がった《瞬唱の魔道士》と《精神的つまづき》の下りじゃないけど
《グリセルブランド》も《神秘の教示者》と一緒に使えなくて良かったよ。

ぐーん
・・・うわ、想像したくない。

和歌ロック
昔から言われているけど、ライフを何かに変換するカードは基本アウトだよ。
《チャネル》とか《ネクロポーテンス》が典型例だけどΦマナとか《グリセルブランド》もやっぱり壊れてる。








秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》 (ぐ:2位 和:1位)

delver.jpg



ぐーん
そして最後にコイツですよ。

和歌ロック
来ちゃいましたね。まあ、おかしいよ。

ぐーん
可笑しいですとも。パワー、タフネスを1下げるか、2マナにしても充分カードになってるよ、これ。

和歌ロック
でも運任せな所もあるからね。

ぐーん
それはスタンダードの話でしょ。《渦まく知識》《思案》が使える環境で運任せも何もない。

和歌ロック
でもアップキープに《渦まく知識》撃つのは基本的に弱い動きだからあまりやりたくはない。

ぐーん
でもそれを容認できるでしょ、このカード。

和歌ロック
流石に状況によるけどね。
手札に不要牌がなくて、もう1枚シャッフルできるカードあったらすぐ変身させるかな。

ぐーん
《野生のナカティル》から学習しなかったのかな、ウィザーズは。

和歌ロック
しかも青だしね。
Zoo使っていた人がカナスレに乗り換えるパターンもかなり多いから《野生のナカティル》に共通する所はある。
《突然の衰微》が出て《秘密を掘り下げる者》を守る動きはし辛くなったけど
RUGがTier1にいるのはコイツのお陰です。

ぐーん
カナスレはイニストラードが入って息吹き返したよね。
1ターン目に出てきて、すぐ変身されると止めるのに一苦労する。2体並べられると本当にどうしようもない。

和歌ロック
《Force of Will》が入ってるデッキだしね。

ぐーん
1ターン目に出されるとヤバいカードってあるじゃん?
ゴブリンの《ゴブリンの従僕》とか、マーベリックの《ルーンの母》とか。
《秘密を掘り下げる者》もその手のクリーチャーで、しかも一番ダメージに繋がり易い。

和歌ロック
1ターン目に出てきて対戦相手に大きなプレッシャーを与えるクリーチャー群だね。
RUG同系やっていても、1ターン目に《秘密を掘り下げる者》出されるのは嫌だからね。
昔だと《野生のナカティル》もこのカテゴリだけど、最近はあんまり見ない。あいつは飛んでないから。

ぐーん
青だから飛んでるのはイメージに合うんだけど・・・、ちょっと変身の条件が緩すぎたかもね。

和歌ロック
青ってクリーチャー弱い色だったんだけどね。

ぐーん
そのことをいい始めると、イニストラードはやっぱりおかしいよ。
《秘密を掘り下げる者》《瞬唱の魔道士》《聖トラフトの霊》って並びが少しもクリーチャーが弱い色に見えない。

和歌ロック
しかもスタンダードでそれが全部使えたわけだからね。

ぐーん
何かがおかしい。

和歌ロック
間違っちゃったね・・・青はクリーチャーが弱い色ではなくなってしまった。








【まとめ】
和歌ロック
こうやってトップ10見てるとイニストラードが偏って強いのかもしれない。
闇の隆盛はそこまで強くなくて、アヴァシンの帰還でそこそこ。

ぐーん
いや、アヴァシンの帰還もかなり強いでしょ。
《グリセルブランド》だけでもイニストラード以外の近隣のセットと比べると頭1つ抜けてるし。
なんにせよ、イニストラードブロックはレガシー的に見てもかなり強いブロックだった気がする。
レガシーが始まって来年で10年目だけど、時のらせんブロック並みに環境動かしたんじゃないかな?

和歌ロック
まぁ、毎セット少しずつメタゲームを動かすカードはあったよ。
最近のカードだと《死儀礼のシャーマン》は大活躍だし。
それでもこのリストは強いカードが並んでる感じはあるね。

ぐーん
直前に《精神的つまづき》挟んでいるんだけど、それまでのレガシーの風景を一変させた。
《精神的つまづき》以前の環境だったら殆ど活躍出来ていなかったカナスレや
スニークショーがトップメタに躍り出たのもこのセットがあったからだし。

和歌ロック
《秘密を掘り下げる者》と《グリセルブランド》が最強のクロックパーミッションとコンボを作ったからね。
《全知》の時にもチラっと言ったけど、イニストラードブロックとM13のカード達は
既存のデッキを強化するカードが多かった印象がある。
全く新しいデッキを作り出すカードは少ないんだけど、今のトップメタを支えるカードが本当に多い。

ぐーん
デッキの主役級のカードから土台を支える脇役までバリエーション豊かに揃っている。
ラヴニカへの回帰で同じ企画やろうとしてもこうはいかないだろうね。
今日は長い時間付き合ってくれてありがとう。とても楽しかった!!!

和歌ロック
どういたしまして!









※1
ミッドレンジ
「ミッドレンジ」はスタンダードとレガシーで微妙にニュアンスが異なる言葉です。
ここではエスパー石鍛冶、BUG続唱、ジャンドなどの「中速のビートコントロール」をざっくばらんに指して使っています。

※2
インベイジョンの頃~
インベイジョンブロックのドメインのフィニッシャーとしての実績もある《秩序ある渡り/Ordered Migration》のこと。
最大5体並べられるものの、基本地形を揃える必要があることを考えると、隔世の感を感じます。

※3
Tom Martell
アメリカのマジックプレイヤー。
ここで触れているグランプリとは2012年のグランプリインディアナポリスのこと。
参考URL→http://bit.ly/ACxRdQ

※4
マーベリック
白緑を基軸とした中速のビートコントロール。
大量のシステムクリーチャーで盤面をコントロールしながら殴り、対コントロール、コンボに対しては多種のヘイトベアで対抗する。
今回の記事ではぐーん、和歌ロックの双方からマーベリックに関してコメントがあります。
イニストラードで大きく強化されたデッキのひとつです。

※5
デスタク
白単で構成されるデス&タックスのこと。
白単ウィニーの系譜を継ぎながらもスピードではなく盤面支配に長けたデッキ。
2013年のグランプリストラスブールを制したことで日本でも利用者を見かけるようになりました。
参考URL→http://bit.ly/16rSx3u

※6
死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman
色拘束の緩さ、序盤への影響力、単体でフィニッシャーになれるライフルーズ能力、墓地対策としての性能と
どこを見ても強力な1マナクリーチャー。
現在のレガシーを考える上で無視することの出来ない1枚。この後も何度か話題に上がります。

※7
土屋さん
土屋洋紀氏。東京在住のマジックプレイヤー。

※8
俺が作った
土屋氏に伺ったところ「あのデッキはワシが育てた」とのこと。
実際のデッキについてはこちらをご参照ください。
参考URL→http://bit.ly/18qJBHq

※9
去年のエタフェス
2012年のエターナルフェスティバル。
優勝は高橋優太氏の青白デルバー。
参考URL→http://bit.ly/XFZPYz

※10
CT
《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》と《相殺/Counterbalance》を利用したソフトロックコンボ。
名前の由来はそれぞれの英語名の頭文字から。
これに《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を加えた「Counter Top Goyf(CTG)」は一時期メタの中心でした。
詳しくはネタ蒔き時氏のコラムをご参照下さい
参考URL→http://bit.ly/14JaxD8

※11
インビテーショナルカード
《闇の腹心/Dark Confidant》がBob Maher。《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》がTiago Chanによるデザイン。
《闇の腹心/Dark Confidant》がボブの愛称で呼ばれている一方
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》はポルトガル人と呼ばれています。

※12
バーゲン
《ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain》のこと。
スタンダードで使えた頃には《アカデミーの学長/Academy Rector》とタッグを組んで
様々なコンボデッキで起爆剤として利用されました。






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【コラム】MUDの軌跡

暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか?
あまりの猛暑に冷房代がかさみ、8月の電気料金にヒヤヒヤする毎日を送るぐーんです。



今回のお題は【MUD】です。

大量のマナ加速からレガシー環境ではあまり採用されることがない
5~6マナ以上の重量級スペルを連打する非常に爽快感のあるデッキです。
メタゲームの中で有力なデッキとは言えませんが、古いカードが活躍することからファンも多く
ブン回りのパターンも持つため対処法を知らないとあっさりと負けてしまう怖いデッキの1つだと言えます。
今回はそんな【MUD】のルーツを探っていきましょう。

【MUD】の様に重いカードを連打しカードパワーの差でアドバンテージを稼いでいくデッキを最近では「ランプ」
あるいは『ビッグマナ』と呼びますが、より古い言葉を探していくと『Tinker戦略』という言葉が存在します。


この言葉は2001年に《Mike Flores》がコラムの中で使ったのが発祥です
(参考URL http://www.wizards.com/sideboard/JParticle.asp?x=sb20010607a,,ja)。

『ビックマナ』であれ『Tinker戦略』であれ共通しているのは『対戦相手よりも強いカード』を利用して勝つという点です


名前の由来である《修繕/Tinker》のイメージから誤解しやすいですが『Tinker戦略』とは
『大量のマナ加速と、高マナ域の呪文を1つのパッケージにする構築の総称』だと言えます。
デッキの半分をマナソース、もう半分を重く強烈な呪文で構成して「強い」カードで勝利を手にして行くと言う意味では
現在使われる『ビッグマナ』とそこまで変わりませんが、【MUD】のデッキデザインは《Mike Flores》が紹介しているようなデッキの色合いを濃く継承しているため
今回は『Tinker戦略』を1つの補助線として【MUD】を考えていこうと思います。

では、《Mike Flores》のコラムの中でも紹介されている『Tinker戦略』を用いるデッキを見ていきましょう。

大会名:世界選手権99
日時:1999年8月1-5日
大会フォーマット:混合
フォーマット:スタンダード(第六版+テンペストブロック+ウルザブロック)
プレイヤー:Kai Budde
最終成績:優勝

(8)//Creatures
4《欲深きドラゴン/Covetous Dragon》
3《マスティコア/Masticore》
1《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》

(32)//Spells
4《呪われた巻物/Cursed Scroll》
4《緋色のダイアモンド/Dire Diamond》
4《厳かなモノリス/Grim Monolith》
4《スランの発電機/Thran Dynamo》
4《束の間の開口/Temporal Aperture》
4《通電式キー/Voltaic Key》
4《燎原の火/Wildfire》
2《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》
2《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》

(20)//Lands
4《裏切り者の都/City of Traitors》
3《古えの墳墓/Ancient Tomb》
13《山/Mountain》

■Sideboard
4《呪文ショック/Spellshock》
3《地震/Earthquake》
2《沸騰/Boil》
2《荒残/Rack and Ruin》
2《破壊的脈動/Shattering Pulse》
1《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》
1《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》



マジック史上最強のプレイヤーの1人にも挙げられる《Kai Budde》がその名を広く知らしめた「赤茶単」です。

トレイターtゥーム
メインボードでは2種類の2マナランドに加えて14枚のマナ・アーティファクト、
更に《通電式キー/Voltaic Key》や《束の間の開口/Temporal Aperture》の様に
実質的にマナ加速として機能するアーティファクトまで採用され
マナソースとそれを補助するカードが都合44枚投入されています。

この潤沢なマナ基盤から当時流行していた「赤単ポンザ」や「緑単ストンピィ」の様な
軽量クリーチャーに強い《マスティコア/Masticore》や《燎原の火/Wildfire》で盤面を制圧していきます。

マスティ_燎原ドラゴン
特に大量のマナアーティファクトを利用する事から《燎原の火/Wildfire》による土地破壊のダメージが比較的軽症で済ませられ、一度開いたマナ格差を覆せないレベルに押し広げることができます。

《Kai Budde》が世界を制覇した翌年にもう1人の最強プレイヤー、《John Finkel》が世界一の座を射止めたデッキもアーティファクトを多用したものでした。
ただし前年の《Kai Budde》の「赤茶単」とは異なりメインカラーに青を据えた「青茶単」
あるいは「スーサイドブラウン」と呼ばれるデッキです。

大会名:世界選手権00
日時:2000年8月2-6日
大会フォーマット:混合
フォーマット:スタンダード(第六版+ウルザブロック+マスクスブロック)
プレイヤー:John Finkel
最終成績:優勝

(9)//Creatures
4《マスティコア/Masticore》
4《金属細工師/Metalworker》
1《ファイレクシアの巨像/Phyrexian Colossus》

(30)//Spells
4《渦巻く知識/Brainstorm》
4《修繕/Tinker》
4《厳かなモノリス/Glim Monolith》
4《ファイレクシアの処理装置Phyrexian Processor》
4《絡み付く鉄線/Tangle Wire》
4《スランの発電機/Thran Dynamo》
4《通電式キー/Voltaic Key》
1《崩れゆく聖域/Crumbling Sanctuary》
1《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》

(21)//Lands
9《島/Island》
4《水晶鉱脈/Crystal Vein》
4《リシャーダの港/Rishadan Port》
4《サプラーツォの岩礁/Saprazzan Skerry》

■Sideboard
4《無効/Annul》
4《寒気/Chill》
4《誤った指図/Miscalculation》
2《水位の上昇/Rising Waters》
1《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》



テンペストブロックの2マナランドを失った代わりに、【赤茶単】では《燎原の火/Wildfire》と相性が悪く
採用されていなかった《金属細工師/Metalworker》やサーチとマナ加速を兼ねる《修繕/Tinker》が投入されています。

ワーカーテンカー
これらを含めてマナソースとして数えられるカードは41枚と「赤茶単」程ではないにせよ
安定したマナ基盤から重量級の呪文を連打するデッキ構成です。

《燎原の火/Wildfire》の様に盤面をリセットできる呪文は採用されていませんが
《からみつく鉄線/Tangle Wire》や《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》で相手の動きを縛ってコントロールをします。
当時は《リシャーダの港/Rishadan Port》と言う強力なマナ拘束カードが存在したこともあって
「スーサイドブラウン」側のマナ基盤が完成するまでの時間稼ぎとしては充分機能しマナ基盤が揃ってしまえば
《マスティコア/Masticore》や《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》の様に
豊富なマナを最大限活用できるファッティで相手を蹂躙します。

わいやーりしゃぽらせん

その他、マナ加速が間に合わないビートダウンに対しては《崩れゆく聖域/Crumbling Sanctuary》と言う
最終兵器を抱えこれら多種多様なアーティファクトを状況によってサーチ出来る《修繕/Tinker》によって
柔軟に立ち回れる器用さを持つデッキです。
また《修繕/Tinker》によって最速2T目に《ファイレクシアの巨像/Phyrexian Colossus》を盤面に出す高速性も見逃せません。

聖域コロプロセッサ


この後、ミラディンブロックで重く派手なアーティファクトが多数登場した頃のエクステンデッド環境で
マナ加速、兼、サーチとしての真価を発揮することになる《修繕/Tinker》ですが
高速化に偏重したこの時期の「ティンカー」はここまで紹介した『Tinker戦略』のデッキとは速度と決定力の2点で
別次元のデッキといって差し支えありません。

2003年に行われたプロツアーニューオリンズで暴れに暴れた結果、デッキのキーカードである《修繕/Tinker》と
高速化を支えた《厳かなモノリス/Grim Monolith》《古えの墳墓/Ancient Tomb》が禁止カードに指定され
エクステンデッドの舞台を去ることになります。


さて、ここまでは現在レガシーで使われている【MUD】の遠い祖先にあたるデッキを紹介してきました。
【MUD】の直接的なルーツとなるデッキは「ティンカー」と同じくミラディンが登場した時期のヴィンテージで成立します


《巨大戦車/Juggernaut》をメインクロックとする事から【5/3】と呼ばれたアーティファクト中心のビートダウンなのですが、デッキの最大の特徴は妨害手段として《三なる宝球/Trinisphere》を採用していることでした。

Juggernaut_3E.jpg

スタンダード当時ではあまり使われるカードではありませんでしたが、各種モックスや教示者《Ancestral Recall》等
低マナ域に強力なカードがひしめくヴィンテージ環境では一度出されるとデッキが全く動かなくなることも珍しくなく
アーティファクト限定ながらノーリスクで3マナを生み出せる《Mishra's Workshop》の存在もあって
非常に危険なカードの1枚として認識されるようになりました。

J_E_R_P_S_Wk.jpg
あまりに環境に対する影響が大きいため《三なる宝球/Trinisphere》は制限カードに指定されてしまいますが
《Mishra's Workshop》自体がそもそも強力無比であったため《からみつく鉄線/Tangle Wire》や
《煙突/Smokestack》のような代替のロック要素と《金属細工師/Metalworker》と言う
第2のマナエンジンを迎えて組まれたのが【MUD】でした。



ヴィンテージ版の【MUD】はこれまで紹介している「茶単」系のデッキと異なりロック要素を主軸とした構築を押し進めている点で画期的です。
従来の『Tinker戦略』でも《燎原の火/Wildfire》や《からみつく鉄線/Tangle Wire》のような様な
マナロックの要素は取り入れられていましたがそれらは限定的であり
あくまで大量マナによるコントロールの補助要素という意味合いが強いものでした。
しかし《Mishra's Workshop》の存在により最序盤からロック状態に持ち込めるヴィンテージ環境では
それ自体が強力なコントロール手段としてデッキコンセプトを成立させ
【MUD】は現在でもヴィンテージの主要なメタの一角として活躍しています。

ワールドウェイクでクロックとマナ拘束の両方をこなす《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》が登場してからは

ロドストーン
《金属細工師/Metalworker》によるマナ加速をオミットしロック要素とビートダウンに特化する形が主流になりました

大会名:ヴィンテージ選手権12
日時:2012年8月17日
大会フォーマット:ヴィンテージ
プレイヤー:Blaine Christiansen
最終成績:準優勝

(15)//Creatures
4《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
3《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》
3《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
3《トリスケリオン/Triskelion》
2《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》

(26)//Spells
1《Black Lotus》
1《Mox Emerald》
1《Mox Jet》
1《Mox Pearl》
1《Mox Ruby》
1《Mox Sapphire》
1《魔力の櫃/Mana Vault》
1《Mana Crypt》
1《太陽の指輪/Sol Ring》
1《三なる宝球/Trinisphere》
4《虚空の杯/Chalice of the Void》
4《からみつく鉄線/Tangle Wire》
3《世界のるつぼ/Crusible of Worlds》
3《煙突/Smokestack》
2《漸増爆弾/Ratchet Bomb》

(19)//Lands
4《古えの墳墓/Ancient Tomb》
4《埋没した廃墟/Buried Ruin》
4《Mishra's Workshop》
4《不毛の大地/Wasteland》
1《裏切り者の都/City of Traitors》
1《露天鉱床/Strip Mine》
1《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》


■Sideboard
4《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
4《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
3《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》
3《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
1《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》



ヴィンテージ環境での【MUD】の活躍は目覚ましく
レガシーに似たような戦術を持ち込むことは初期から画策されていましたが
《Mishra's Workshop》や各種モックスはおろか
《金属細工師/Metalworker》や《厳かなモノリス/Grim Monolith》すら禁止されていた
初期のレガシー環境においてはヴィンテージと同じ形で戦術を再現することはできませんでした。

しかし初期のレガシー環境でも《虚空の杯/Chalice of the Void》と《Force of Will》で
早期に展開したフライヤーを援護し足りない攻撃力を各種装備品で補う
【フェアリーストンピィ】がトーナメントで結果を残していました。

そして次元の混乱によってマナ加速の《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》を
未来予知によって生きている《血染めの月/Blood Moon》である《月の大魔術師/Magus of the Moon》を獲得したことによってヴィンテージ版【MUD】に近いロックの速度を持つ【ドラゴンストンピィ】が登場することになります。


大会名:ベルギーレガシー選手権(参考URL http://www.magicclubmol.be/files/results/20071222.pdf
日時:2007年12月22日
プレイヤー:Jean-Marie Desruelle
最終成績:4位

(20)//Creatures
4《弧炎撒き/ Arc-Slogger》
4《ギャサンの略奪者/Gathan Raiders》
4《月の大魔道士/Magus of the Moon》
4《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》
4《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》

(22)//Spells
4《虚空の杯/Chalice of the Void》
4《三なる宝球/Trinisphere》
4《金属モックス/Chrome Mox》
4《血染めの月/Blood Moon》
3《煮えたぎる歌/Seething Song》
3《火薬樽/Powder Keg》
 
(18)//Land
4《古えの墳墓/Ancient Tomb》
4《裏切り者の都/City of Traitors》
10《山/Mountain》


■Sideboard
4《Pyrokinesis》
3《破壊放題/Shattering Spree》
3《テフラダーム/Tephraderm》
2《Anarchy》
2《紅蓮地獄/Pyroclasm》
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》



《虚空の杯/Chalice of the Void》《三なる宝球/Trinisphere》に加えて《血染めの月/Blood Moon》と
《月の大魔術師/Magus of the Moon》と言う4種類のロック要素全てを最大限投入し

M_C_T_B.jpg

レガシーの多色・軽量環境に対するメタデッキとして登場したのが【ドラゴンストンピィ】でした。

2種類の《月》はフェッチランド・デュアルランドによって多色化が容易であり
赤単色のデッキが【ゴブリン】と【バーン】程度しか存在しないレガシー環境では
広いデッキに致命的なダメージを与えることができるカードです。

また、ヴィンテージ環境ほど軽くないにせよ多くのデッキが1~2マナ域のカードを主要な戦力とするレガシーでも
早期に解決された《虚空の杯/Chalice of the Void》《三なる宝球/Trinisphere》は多くのデッキを機能不全に追い込むフィニッシュムーブになりえます。

特に《虚空の杯/Chalice of the Void》は【ドラゴンストンピィ】が用意する数少ないクロックを
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》に代表される各種1マナ除去から保護する攻防の要ともいえるカードです。
これらの強力なロック要素を2マナランドや《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》から高速で展開し
対戦相手の動きを止めているうちに中堅クロックで迅速に殴りきるのが基本的な戦略です。

クロックとして選ばれているカードはマナ加速の為に手札を消費しやすいデッキの性格を利用した
《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》《ギャサンの略奪者/Gathan Raiders》と言った

G_R.jpg

暴勇持ちのクリーチャーが好んで採用されていましたが
最近ではお互いのプレイヤーが呪文をキャストし難くなる事から、イニストラードブロックの変身を持つ
狼男クリーチャーが採用されることもあるようです。

09年~10年にかけ《金属細工師/Metalworker》《厳かなモノリス/Grim Monolith》が立て続けに禁止解除され
ミラディンの傷跡ブロックで強力なアーティファクトが多数登場したことで
レガシー環境でも【MUD】が組まれるようになります。

大会名:Star City Games Legacy Open
日時:2013年6月16日
プレイヤー:Richard Roberts
最終成績:14th

(20)//Creatures
4《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》
4《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》
4《金属細工師/Metalworker》
3《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
1《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
1《マイアの戦闘球/Myr Battelesphere》
1《鋼のヘルカイト/Steel Helkite》
1《隔離するタイタン/Sundering Titan》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
 
(17)//Spells
4《虚空の杯/Chalice of the Void》
4《厳かなモノリス/Glim Monolith》
2《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
2《三なる宝球/Trinisphere》
2《通電式キー/Voltaic Key》
1《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
1《威圧の杖/Staff of Domination》
1《千年霊薬/Thousand-Year Elixir》

(23)//Lands
4《ダークスティールの城塞/Darksteel Citabel》
4《大焼炉/Great Furnace》
4《古えの墳墓/Ancient Tomb》
4《裏切り者の都/City of Traitors》
4《不毛の大地/Wasteland》
3《魂の洞窟/Cavern of Souls》


■Sideboard
2《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》
2《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
2《世界のるつぼ/Crusible of Worlds》
2《漸増爆弾/Ratchet Bomb》
2《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》
1《白金の帝像/Platinum Emperion》
1《映し身人形/Duplicant》
1《罠の橋/Ensnaring Bridge》
1《イシュ・サーの背骨/Spine of Ish Sah》
1《三なる宝球/Trinisphere》



レガシーの【MUD】は伝統的な『Tinker戦略』から受け継いだ大量マナからファッティを繰り出す戦略と
ヴィンテージ版【MUD】譲りのロック要素の両方の遺伝子を持ったデッキです。

《金属細工師/Metalworker》と《厳かなモノリス/Grim Monolith》《通電式キー/Voltaic Key》と言った
常連とも言える面々に加えて、無色の《修繕/Tinker》として機能する
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》とアーティファクトを再利用する
《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》が4枚ずつ採用されファッティを効率よく運用できる構成を取っています。

M_G_V_G_K.jpg

《虚空の杯/Chalice of the Void》と相性が悪いといえる《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》ですが
先置きするか、ゴブリン指定の《魂の洞窟/Cavern of Souls》があれば問題なく運用できます。

ミラディンの傷跡ブロックからは破壊不能と感染を持ちワンパンチで対戦相手を倒せる
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》、トークンなど横に並べるデッキに滅法強い
《鋼のヘルカイト/Steel Hellkite》サイズと絆魂で対戦相手のビートダウンを阻む
《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》など個性的で強力なカードが多数採用されています。

W_B_H.jpg

中でも《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》からの運用が前提ながらも
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》の持つ破壊力は高く1ターン目に2マナランドから
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》、2ターン目に5マナを捻り出し
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》を装備して
即起動から《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》が速攻でアタックしてくる姿は
もはやコンボデッキの領分と言ってもいいでしょう。


ロック要素としては《虚空の杯/Chalice of the Void》、《三なる宝球/Trinisphere》に加えて
《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》が採用されファッティによるビートダウンを支援する形を取っています。

先ほども書いた通り、レガシーではヴィンテージ環境ほど序盤のマナ加速の自由が利かず
同じ【MUD】のカテゴリの中でもロック要素を薄くして大量マナの生成に特化するデッキも存在します。

上で紹介した【MUD】は赤をタッチして《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》を採用する形を取っていますが
デッキによっては色を採用することなく完全無色でデッキを構成するものや
アーティファクトに関係の深いプレインズウォーカー《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》のために、青と黒をタッチする形も存在し一概にどれが【MUD】の主流の形であるとはいえないのが現状です。

またデッキコンセプトにしても、『Tinker戦略』とロック要素のどちらに主軸を置くのかで大きく構成が変わるため
デッキデザイナーのさじ加減1つで必要不可欠と思えるパーツが採用されないことも珍しくありません。
ほとんどのデッキに共通して採用されるカードは2マナランドと《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》ぐらいで
それ以外のパーツはデッキコンセプトの影響で千差万別していきます。



ある意味では【MUD】とはアーティファクトを中心とし大量マナでメタゲームの軸からずれた戦略を取るデッキの総称だ!!と、言ってもいいほど裾野が広いデッキになっています。

今回は最後に色をタッチしない【MUD】から派生し、最早殆ど別物と言って良い様な構成へと変化したデッキを紹介して終わりにしようと思います。


大会名:晴れる屋木曜レガシー20時の部
日時:2013年7月22日
プレイヤー:Jincho Takayoshi
最終成績:3ー0

(6)//Creatures
3《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
1《隔離するタイタン/Sundering Titan》
1《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》
1《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》

(24)//Spells
4《探検の地図/Expedition Map》
4《厳かなモノリス/Grim Monorith》
4《真髄の針/Pitching Needle》
3《全ては塵/All is Dust》
3《ニンの杖/Staff of Nin》
2《世界のるつぼ/Crusible of Worlds》
1《精神隷属器/Mindslaver》
1《イシュ・サーの背骨/Spine of Ish Sah》
1《Candelabra of Tawnos》
1《交易所/Trading Post》

(30)//Lands
4《雲上の座/Cloudpost》
4《微光地/Glimmerpost》
4《ヴェズーヴァ/Vesuva》
3《演劇の舞台/Thespian's Stage》
3《古えの墳墓/Ancient Tomb》
3《Maze of Ith》
1《埋没した廃墟/Buried Ruin》
1《黄塵地帯/Dust Bowl》
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
1《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1《Karakas》
1《ウギンの目/Eye of Ugin》
1《Diamond Valley》
1《暗黒の深部/Dark Depths》
1《The Tabernacle at Pendrell Vale》

■Sideboard
4《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
4《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》
3《呪われたトーテム像/Cursed Totem》
3《漸増爆弾/Ratchet Bomb》
1《世界のるつぼ/Crusible of Worlds》



《雲上の座/Cloudpost》から出る大量のマナを利用するいわゆる【12post】なのですが
通常の【12post】が緑の土地サーチや、青のドロースペルをサポートとして利用するのに対し
このデッキは完全無色で構成されています。

C_G.jpg

土地をサーチできるカードは4枚の《探検の地図/Expedition Map》のみですが
1枚でも《雲上の座/Cloudpost》が手に入れば《微光地/Glimmerpost》と2種類の土地をコピーする土地によって
瞬く間にマナを伸ばすことができる構成になっています。

また《探検の地図/Expedition Map》をある種のユーティリティースペルとして利用するために
《Maze of Ith》などのマナが出ない土地を大量に採用し
デッキの半分が土地と言う「土地単」と見まがう構成も特徴的です。


《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》や《虚空の杯/Chalice of the Void》が採用される
【MUD】の様に序盤の2~3ターンで勝負を決める程の速度はありませんが
中盤以降マナが伸びるにつれてキャストされる呪文の全てがゲームエンド級の破壊力を発揮するため
中速以下のスピードしか出せないデッキにとっては非常に厄介なデッキです。

序盤にこちらがマナ基盤を整えているうちにゲームを決めてしまうコンボ系のデッキが弱点ですが
サイドボード後は《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》や《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》のが投入され
従来の【MUD】に近い形に戻すことでこの弱点をカバーする事が出来ます。
妙な言い回しになりますが、このデッキは「赤茶単」から連綿と受け継がれた
『Tinker戦略』のハイエンドなのかもしれません。

《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》が登場し、中速デッキが増えたラヴニカへの回帰以降のレガシーに
適応し、対戦相手よりも強烈な呪文をキャストすることに特化して行き着いた先の異色形です。







いかがだったでしょうか?
普段紹介するデッキと使うマナ域が全く異なり、書いていて勉強になることが多い【MUD】でした。
レガシーで【MUD】の他に『Tinker戦略』(あるいは「ビッグマナ」)を標榜するデッキは
《老練の探険者/Veteran Explorer》を利用する「Nic Fit」が存在しこの二者を比較するのも面白いかもしれません

それでは皆様の良いレガシーライフを願って!




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【コラム】ANTの歴史

皆さんお久しぶりです。
梅雨に入りじめじめした洗濯物に取り囲まれて生活をしているぐーんです。


今回はそんな梅雨の鬱陶しさを吹き飛ばす爽快なコンボデッキ「ANT」の歴史を紹介していきます。
レガシーでも有数のポテンシャルを持ったデッキですが、その歴史は一筋縄ではいかず
様々な栄光と受難に彩られています。


ANT/Ad Nauseam Tendrils/Ad Storm
の歴史を見る前に、ストームについて簡単におさらいしてみましょう。

----------------------------------------

《ストーム/Storm》というキーワード能力が初めて世に初めて登場したのは
レガシーがフォーマットとして成立する前の2003年の<スカージ>の時でした。
ターン中に唱えられた呪文の数を参照する画期的な能力で
コンボへの利用の可能性は発表された当初から噂されていました。

特に《精神の願望》は『マナ加速』『コスト軽減』『フリースペル』など
相性の良い各種呪文が存在していたこともありエクステンデッドで一大勢力を築くことになります。

エクステンデッドの環境以上に融通が利くマナ加速呪文が腐るほど存在していたType1.0(現ヴィンテージ)や
レガシーの前身であるType1.5でその存在が許されるはずもなく
トーナメントで使用可能になる日から禁止・制限の指定を受ける怪挙を成し遂げたことでも有名です。

レガシー環境黎明期にストームを利用したデッキは
現在の「ハイタイド」の原型とも言える「ソリダリティ(リセット・ハイタイド)」や
すぐ後に紹介する「IGGy-Pop」が存在しましたが、Type1.5から引き続いて
《精神の願望》が禁止されていたこともあって目立った存在ではありませんでした。

同じエターナル環境でもヴィンテージ環境では「ロング・デック」や「ドロー7」と言う名前で
ストームデッキが一大勢力を築いていましたが
それらの成立には大量のサーチスペルや《Wheel of Fortune》を初めとした強力なドローソースが不可欠でした

実戦向けのサーチスペルが《神秘の教示者》を除き軒並みに禁止されていたレガシー環境では
似たような構造のデッキを組むのが困難だったのです。

現在の「ANT」のルーツを考えるときにディセンションで登場した《冥府の教示者》を外すことはできません。
単体で使うにはやや癖のあるサーチカードですが、既にヴィンテージで制限カードに指定されて注目を浴びていた
《ライオンの瞳のダイアモンド》と合わせて使うことによって
元祖教示者カードである《Demonic Tutor》と同等の働きをすることが判明します。

このシナジーを組み込むことによって一気にメタゲームの中央に切り込んでいったのが「IGGy-Pop」でした。

igy.jpg


大会名:レガシー選手権06
日時:2006年8月11日
プレイヤー:Ben Roberts
最終結果:トップ8入賞


//Spells-45
4《渦巻く知識/Brainstorm》
4《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
4《暗黒の儀式/Dark Ritual>

4《不正利得/Ill-Gotten Gains》
4《冥府の教示者/Infernal Tutor》
4《虚空の力線/Leyline of the Void》
4《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》
4《水蓮の花びら/Lotus Petal》
3《防御の光網/Defense Grid》
3《留意/Mental Note》
3《神秘の教示者/Mystical Tutor》
2《直観/Intuition》
1《残響する真実/Echoing Truth》
1《苦悶の触手/Tendrils of Agony》

//Lands-15
4《汚染された三角州/Polluted Delta》
3《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
1《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3《島/Island》
2《沼/Swamp》
2《Underground Sea》


Sideboard
3《虐殺/Massacre》
3《誤った指図/Misdirection》
3《金属モックス/Chrome Mox》
2《残響する真実/Echoing Truth》
2《ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall》
1《防御の光網/Defense Grid》
1《苦悶の触手/Tendrils of Agony》




ラブニカブロック以前の「IGGy-Pop」は《直観》で3枚の《不正利得》をサーチし
《暗黒の儀式》や《ライオンの瞳のダイアモンド》等のマナ加速を絡めて
1ターンの間に何度も《不正利得》をキャストして大量のストームを生成するタイプが主流でした。

この形は干渉手段を持たないビートダウンには滅法強かったのですが
対戦相手が青いデッキを使っていた場合、《不正利得》によってカウンター呪文を回収されると
その時点でコンボがストップしてしまうという致命的な弱点が存在していました。

しかし《虚空の力線》を導入することにより《不正利得》を一方的な手札破壊として利用できるようになり
《冥府の教示者》を獲得したことによってデッキの完成度が底上げされたのがこのデッキレシピになります。

もちろん弱点が無いわけではなく、キーカードの《不正利得》が墓地に依存するカードである関係上
墓地対策に対して非常に弱いのですが、この時期には《納墓》がまだ禁止カードだったり
《黄泉からの橋》《タルモゴイフ》といった墓地を利用する強力カードがまだ刷られていなかった為
現在と比較してプレイヤーの間で墓地に対する意識が薄かったことも成功の秘訣でした。

実際「IGGy-Pop」の活躍後は《トーモッドの墓所》がサイドボードの定番カードとなり
その活躍の場は狭まってしまいます。

有名でなかったことが1つの強みであった「IGGy-Pop」でしたが
一度その弱点が暴かれると対処法もあるということが認知されていきました。
墓地に依存し過ぎると言う弱点を克服するため
様々な調整が施され、従来とは異なる構成のデッキが登場することになります。


それが「The Epic Storm(TES)」です。


大会名:The Mana Leak Open 2 Day1
(参考URL http://www.mtgthesource.com/forums/showthread.php?5348-Metagame-Breakdown-The-Mana-Leak-Open-2-Day-1-Top8-decklists-Metagame-Breakdown
日時:2007年3月3日
プレイヤー:Bryant Cook
最終成績:優勝

Creatures-4
4《ザンティッドの大群/Xantid Swarm

Spells-45
4《渦巻く知識/Brainstorm》
4《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4《暗黒への突入/Plunge into Darkness》
4《炎の儀式/Rite of Flame》
4《燃え立つ願い/Burning Wish》
4《冥府の教示者/Infernal Tutor》
4《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》
4《金属モックス/Chrome Mox》
4《水蓮の花びら/Lotus Petal》
3《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
2《苦悶の触手/Tendrils of Agony》
2《巣穴からの総出/Empty the Warren》
1《不正利得/Ill-Gotten Gains》
1《先細りの収益/Diminshing Returns》
 
Lands-11
4《宝石鉱山/Gemstone Mine》
4《真鍮の都/City of Brass》
2《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》
1《烏羅未の墳墓/Tomb of Urami》


Sideboard
4《闇の腹心/Dark Confidant》
2《防御の光網/Defence Grid》
1《強迫/Duress》
1《不正利得/Ill-Gotten Gains》
1《苦悶の触手/Tendrils of Agony》
1《先細りの収益/Diminshing Returns》
1《巣穴からの総出/Empty the Warren》
1《地震/Earthquake》
1《溶解/Meltdown》
1《破壊放題/Shattering Spree》
1《平穏/Tranquility》




「IGGy-Pop」との最大の変更点は3色目として赤が採用されていることです。
当時のスタンダード環境でも「ドラゴンストーム」を成立させた時のらせんブロックですが
レガシーで注目されたの、早い段階で大量のゴブリントークンを生み出す《巣穴からの総出》でした。

赤の採用理由はそれだけではなく、《暗黒の儀式》に匹敵するマナ加速である《炎の儀式》
追加のサーチとして機能する《燃え立つ願い》が採用され、爆発力に特化されたデッキ構成になっています。

「IGGy-Pop」と同じく《不正利得》のギミックを取り入れていますが
こちらではあくまでコンボのサポートとして《先細りの収益》との併用である点も重要な違いです。
さらに《燃え立つ願い》を活用するため、いわゆるウィッシュボードが採用され
幅広い局面への対応力も持ち合わせているのも特長です。


しばらくの間は「IGGy-Pop」と併存していましたが、速度や、その汎用性の高さから次第に
「TES」がレガシーのストームデッキの主流になり「IGGy-Pop」は「Fetchland Tendrils」と呼ばれるようになります

《相殺》+《師範の占い独楽》という天敵は存在したものの、マナ加速やカウンター対策
ドローソースなど、細かい点でマイナーチェンジを繰り返しながら「TES」はメタゲームの一角に居座り続けます

そしてストームデッキがさらなる進化を遂げるのが2008年にアラーラの断片が発売された時期でした。
このセットに収録されていた《むかつき》がキーカードです。

AD-2.jpg


いかにも黒らしいハイリスク・ハイリターンなドローカードですが、デッキの構成を低マナ域に偏重することによって無理なく大量のカードを手札に加えることができます。《むかつき》を採用したストームデッキは《むかつき/Ad Nauseam》と《苦悶の触手/Tendrils of Agony》の頭文字を取って「ANT」と呼ばれるようになりました。

大会名:岡山レガシーオープン
日時:2008年11月22日
プレイヤー:齋藤悠
最終成績:優勝

0creatures

//Spells-47
4《渦巻く知識/Brainstorm》
4《燃え立つ願い/Burning Wish》
4《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4《強迫/Duress》
4《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》
4《水蓮の花びら/Lotus Petal》
4《神秘の教示者/Mystical Tutor》
4《炎の儀式/Rite of Flame》
3《金属モックス/Chrome Mox》
2《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
2《むかつき/Ad Nauseam》
2《冥府の教示者/Infenal Tutor》
2《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
2《オアリムの詠唱/Orim's Chant》
2《否定の契約/Pact of Negation》

//Lands-13
4《宝石鉱山/Gemstone Mine》
3《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3《汚染された三角州/Polluted Delta》
1《Underground Sea》
1《Volcanic Island》
1《Badlands》

Sideboard
3《破壊放題/Shattering Spree》
2《ハーキルの召還術/Hurkyl's Recall》
1《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
1《先細りの収益/Diminishing Returns》
1《巣穴からの総出/Empty the Warren》
1《外殻貫通/Hull Breach》
1《不正利得/Ill-Gotten Gains》
1《オアリムの詠唱/Orim's Chant》
1《否定の契約/Pact of Negation》
1《紅蓮地獄/Pyroclasm》
1《苦悶の触手/Tendrils of Agony》




従来であれば《不正利得》や《先細りの収益》が入っていたスロットに《むかつき》が投入されています。
墓地に依存してしまう《不正利得》や、相手にカウンターを献上してしまう可能性がある
《先細りの収益》と比較すると《むかつき》は充分なライフさえあれば
低リスクでコンボがスタートできるのが魅力です。

メインデッキの平均マナコストは0.8に抑えられ、仮にライフ20から《むかつき》をキャストした場合
(雑に計算して)24枚のカードを手札に加えることが出来ます。
フィニッシャーである《苦悶の触手》や《巣穴からの総出》も《燃え立つ願い》経由を前提にし
サイドボードに移されデッキの総マナコストが少しでも少なくなるような工夫がされている点も興味深いです。

「ANT」の登場以降はレガシーフォーマットで単に「ストームデッキ」と言うと
《むかつき》を採用したこのデッキを指すことが多くなりました。


「IGGy-Pop」「TES」「ANT」とストームデッキの発展の様子を見てきました。
どのデッキも大量のマナ加速によって余剰マナとストームを稼ぎ
フィニッシュとなるストーム呪文につなげていくという動きは共通していますが
使用できるカードの違いで大きく構成を変えてきているのが分かります。

「ANT」はレガシーの数あるデッキの中でも最強にもっとも近いと言われ
今現在でも一線級の活躍を続けています・・・とここで筆を置ければ簡単なのですが
実際には「ANT」の歴史はここからが本番だったりします。

「ANT」は高い柔軟性と、一瞬でゲームを決める高速性を両立させたデッキとして
一時期は間違いなくレガシー最強のデッキと謳われていました。
しかし「出る杭」ではありませんが、環境で突出して強いデッキが存在すればプレイヤー、場合によっては
マジックの製造元であるウィザーズの注目を集めないわけにはいきません。

「ANT」の受難はいくつかの段階に分けられますが、簡単に分類すると

「ルール改定および禁止改訂」

「苦手デッキ・カードの台頭」



の2つに分けられます。


■「ルール変更および禁止改訂
最初に紹介するのはマジックそのもののルール変更や、フォーマットの禁止改訂により
「ANT」がそのデッキパワーを制限されていく過程です。

1つめは2009年の基本セット2010発売に伴うルール変更、いわゆるM10ルールの導入です。
マナ・バーンの廃止や、ダメージスタックの廃止など、今となってはもはや懐かしく感じもする変更ですが
その中の1つにマナプールについてのルール変更があります。

それまでは各フェイズごとに消滅していたマナプールが、各ステップごとの消滅になったのが変更内容です。
他のルール変更に比べると一見地味な変更に見えますが
「ANT」にとっては《ライオンの瞳のダイアモンド》の使い勝手が大きく変わる変更でした。
それまで使われていたテクニックの一つで

アップキープステップに《ライオンの瞳のダイアモンド》起動→ドロー後《むかつき》キャスト!!


という挙動が不可能になったのです。


M10ルールの導入自体はゲーム全体の直観と矛盾するルールの合理化が目的でしたが
「ANT」の受けた不利益は小さくはありませんでした。

そして2つ目が、2010年7月1日付けで発効された《神秘の教示者》の禁止指定です。
ウィザーズ社の禁止カードに対するポリシーによると、フォーマットを丸ごと支配しうるデッキ
レガシーフォーマットで具体的に言うと
『ゲーム開始から、2ターン以内に安定して勝利することが出来るデッキ』に対しては
何らかの措置を行うことがあるようです。

そして《神秘の教示者》が禁止の是非の俎上に上げられたのは単純に「ANT」で使われていただけでなく
同時期から存在していたコンボデッキ「リアニメイト」でも利用されていたのが大きな理由でした。

スペルを主体とするこれら2つのデッキで《神秘の教示者》はコンボスピードを加速させるだけに止まらず
対戦相手が用意するコンボ対策に対しての更なる対策手段(《実物提示教育》や《拭い捨て》)に容易に
アクセス出来、デッキ全体の柔軟性に寄与するという大役を担っていました。

実際に禁止直前に行われたGP:マドリードでは
上位4名中、3名が《神秘の教示者》を利用したコンボデッキを利用しています。
これら2つの要因、特に後者の禁止改訂によって「ANT」のデッキパワーは大きく制限されました。
プレイヤー側としても禁止カードの制定は喜ぶべき事態とは言えませんが
当時の「ANT」がどれだけの強さを持っていたかを物語るエピソードだと言えます。

しかし、このような逆境に置かれながらも、「ANT」はなおも一線級のデッキとして活躍を続けます。
《神秘の教示者》禁止後に初めて行われたプレミアイベントであるGP:コロンバスでは
<Bryant Cook>が《神秘の教示者》の代わりに《燃え立つ願い》を投入した形の「ANT」を持ち込んで
見事トップ8に入賞しています。


■「苦手デッキ・カードの台頭
前述のルール変更、禁止改訂がウィザーズによる「上から」の影響だとすれば
こちらで紹介するのはプレイヤーの間で「ANT」が意識された結果による影響だといえます。
レガシーというメタゲームがある以上、特定のデッキが活躍すればするほど
そのデッキへの締め付けが厳しくなるのはマジックでは珍しくありません。
ここでは「ANT」に対して影響を与えたカードを3枚紹介します。

1枚目は《相殺/Counterblance》。
CTb.jpg

《師範の占い独楽》との組み合わせによってソフトロックを形成するカードとして有名ですが
マナ加速やドローソースなどがほとんど0~1マナ域に集中する「ANT」にとっては非常に厄介な代物です。
特に《タルモゴイフ》を採用してクロックパーミッションの形を取る「Counter Top Goyf(CTG)」に対しては
じっくりと構える余裕もありませんでした。
「CTG」がトップメタに位置していた2008/10年頃は「ANT」も大きな変遷を迎えた時期で
《神秘の教示者》の有用性が確かめられたのもこの時期でした。


2枚目は《精神的つまづき/Mental Misstep》です。
MentalMisstep1.jpg

このカードはレガシー環境を大きく歪めたことで有名ですが「ANT」もそのご多分に漏れず
前方確認の《強迫》やコンボの初動の《暗黒の儀式》をあっさり拒絶されるなど散々な目に遭っていました。
《精神的つまづき》がトーナメントで使えた時期は「ANT」に限らず
従来レガシーらしいとされていたデッキほどこの0マナカウンターの影響を受けやすく
活躍の場を失っていたことも書き加えておきましょう。


そして3枚目が《スレイベンの守護者、サリア》です。
サリア

それまでも対コンボで役立つカードとして《エーテル宣誓会の法学者》や《ガドック・ティーグ》など
いわゆるヘイトベアが有名でした。

しかし《サリア》は他のヘイトベアとは異なり、コンボ以外にも、スペル主体のコントロールに対しても
強い抑止力になりえた点で抜群の汎用性を持っていました。
直前のイニストラードで《炎の中の過去》を獲得し強化されていた「ANT」でしたが
《サリア》をメインから採用した中速ビートダウン「Maverick」が流行するようになると
かつての環境最強という看板を掲げることはできなくなります。
(しかしこの「Maverick」にしても次のセットで《終末》が登場するとトップメタの座を追われてしまうのもメタゲーム的には非常に面白い現象です。閑話休題)


少し長くなってしまいました。最後に最近成績を残している「ANT」をみて今回は終わりとします。

大会名:Star City Games Legacy Open at St.Louis
日時:2013年6月9日
プレイヤー:Grant Wilkinson
最終成績:5位


//Spells-45
4《渦巻く知識/Brainstorm》
4《思案/Ponder》
4《定業/Preordain》
4《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
4《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4《強迫/Duress》
4《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4《冥府の教示者/Infernal Tutor》
4《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》
4《水蓮の花びら/Lotus Petal》
2《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
1《むかつき/Ad Nauseam》
1《炎の中の過去/Past in Flames》
1《苦悶の触手/Tendrils of Agony》

//Lands-15
4《汚染された三角州/Underground Sea》
3《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2《宝石鉱山/Gemstone Mine》
2《沼/Swamp》
1《島/Island》
1《Volcanic Island》


Sideboard
4《突然の衰微/Abrupt Decay》
3《花の絨毯/Carpet of Flowers》
2《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
2《殺戮の契約/Slaughter Pact》
1《陰謀団式量法/Cabal Therapy》
1《苦悶の触手/Tendrils of Agony》
1《Tropical Island》
1《Karakas》




状況によって最適解をサーチできるもののやや冗長な《燃え立つ願い》はオミットされ
サーチカードは《冥府の教示者》4枚に抑えられています。
その代わりに、4種16枚と大量に用意されたドローソースでデッキを迅速に掘り下げていく形に変化しました。
最近のもので注目すべきカードは、《サリア》の段で少し書いていますが
イニストラードで登場した《炎の中の過去》です。

簡単に説明するとインスタント・ソーサリー限定の《ヨーグモスの意思》とでも言うべきカードでしょうか。
《炎の中の過去》自体にフラッシュバックがついているため、《ライオンの瞳のダイアモンド》との相性もよく
ライフを詰められると使いにくくなる《むかつき》と状況によって使い分けることが出来ます。

サイドボードに目を移すと<ラブニカへの回帰>で登場した万能パーマネント破壊呪文
《突然の衰微》が採用されているのも特徴的です。
《相殺》や《サリア》を始めとするヘイトベアに対して相手のカウンターに臆することなく
気にせずに対処可能な点が買われての採用で、実戦でも八面六臂の活躍をしているようです。


如何だったでしょうか。
「ANT」の歴史は様々な紆余曲折を経ていますが、その分ファンも多く
レガシー環境そのものが無くならない限り決して消えることのないアーキタイプの1つだと思っています。
今回の記事でその魅力を少しでもお伝えできたならば幸いです。


では皆さんの良いレガシーライフを祈って!!



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実物提示教育と、その歴史

皆さん、お久しぶりです。
ドラゴンの迷路発売とかぶったゴールデンウィークはマジック三昧の日々を過ごしたぐーんです。

今回は現在のレガシー環境のコンボデッキの代表格とも言える《実物提示教育》を利用したデッキの歴史を追跡していきます。
取り敢えず、今回の主役となるカードを紹介しましょう。


実物提示教育/Show and Tell  (2)(U)

ソーサリー

各プレイヤーは、自分の手札にあるアーティファクト・カードかクリーチャー・カードか
エンチャント・カードか土地カードを1枚、戦場に出してもよい。




お互いのプレイヤーがプレインズウォーカー(以下PW)を除く
好きなパーマネントを無償で展開することができるソーサリーです。

3マナ以上のカードを展開することでマナ加速、あるいはマナフィルターとして運用できますが
デメリットとして、対戦相手にも同様にパーマネントを展開する権利を与え
カードアドバンテージの面でキャストした側が損をしてしまいます。
スタンダードの時期には《精神力》や《ヨーグモスの取り引き》など
目的のパーマネントを出せばターン中にゲームが終わるコンボデッキで利用されていました。

面白いカードですが反面非常にくせが強くレガシーで単純に巨大なファッティを出したいだけならば
《再活性》や《死体発掘》などを利用した「リアニメイト」の方がリスクは少なく
レガシー環境の初期はあまり見かけないカードでした。

1つの利用法として、サイド後に墓地対策を取られてしまう「リアニメイト」で
墓地を経由することなくファッティを展開できることを買われ数枚仕込まれることはありましたが
中心的なメカニズムとして利用されることはなかったのです。

このカードがレガシー環境で脚光を浴びることになる要因は大きく2つあります。


まず1つ目は2010年の4月に発売されたゼンディカー・ブロックの最終エキスパンションである
エルドラージ覚醒に収録されたカード《引き裂かれし永劫、エムラクール》と言う
超弩級のファッティカードの存在です。
15マナ、15/15、滅殺6、キャスト時に《時間のねじれ》が誘発、と何もかもが規格外、と言うか
非現実的で過去前例のないクリーチャーであり
エルドラージ覚醒の目玉カードとして鳴り物入りで登場したカードでした。

レガシーではこの手のファッティは「リアニメイト」デッキで悪用されるのが通例でしたが
《エムラクール》の場合、墓地に置かれたときに自動的にライブラリー修復が誘発されてしまう為
通常のリアニメイトでは使うことができず他の利用法が模索されることになります。
この様な経緯で《実物提示教育》が注目されたのは自然な流れでした。

コンボの成立に必要なカードはわずか2枚であり
実際にキャストに必要なのは《実物提示教育》だけと言う条件の緩さは
現在、レガシーフォーマットで長らく禁止カードに制定されている《閃光》に近いものがあります。

《エムラクール》登場初期には《狩猟番》を利用してライブラリーから直接場に出すと言った
ヴィンテージ環境に存在する「オース」デッキに近いものや
《雲上の座》と《ヴェズーヴァ》を組み合わせることにより大量マナを生み出し
ハードキャストを狙うタイプも試されていましたが
安定性やスピードの面で難がありメタゲームに残ることは出来ませんでした。

もう1つの要因は同年7月の禁止改訂により《神秘の教示者》が禁止カードに指定されたことです。
あまり関係のないことのように思われるかもしれませんが
この禁止改訂がなければ《実物提示教育》は今ほど注目を浴びていなかったかもしれません。
と言うのも、この時期のレガシーの主なコンボデッキは「リアニメイト」と
ストーム系のデッキの代表格である「ANT」が二大巨頭だったからです。

どちらのデッキも仕掛けるタイミングが《実物提示教育》デッキよりも速度が早い上に
《神秘の教示者》により任意のコンボパーツをサーチすることが出来
スピードと安定性を兼ね備えた非常に高いクオリティーを実現していました。
これらのデッキに対して《実物提示教育》側が優る点と言えば
通さなくてはならないスペルが1枚だけの2枚コンボで手札を整えやすいという点のみでしたが
《神秘の教示者》が存在する限りそのアドバンテージも薄められてしまうのです。

《神秘の教示者》禁止は当時レガシー環境で突出した強さを持っていたこの2つのデッキの
支配力を下げる事が目的で指定され、相対的に他のコンボデッキに注目が集まることになります。
そしてそのようなデッキの中に《実物提示教育》を利用した瞬殺型コンボが含まれていました。

この2つの要因を背景に、《神秘の教示者》禁止直後の2010年7月に開催されたGPコロンバスで
《実物提示教育》をフィーチャーした2つのデッキがトップ8に入賞しています。

大会名:グランプリコロンバス10
日時:2010年7月31日ー8月1日
場所:アメリカ、コロンバス
参加者:1291

プレイヤー:Korey Age
最終成績:トップ8

8creatures
4《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》
4《森滅ぼしの最長老/Woodfall Primus》

34spells
4《渦巻く知識/Brainstorm》
4《目くらまし/Daze》
1《残響する真実/Echoing Truth》
4《Force of Will》
3《睡蓮の花びら/Lotus Petal》
4《思案/Ponder》
3《煮えたぎる歌/Seething Song》
4《実物提示教育/Show and Tell》
4《騙し討ち/Sneak Attack》
2《呪文貫き/Spell Pierce》
1《拭い捨て/Wipe Away》

18lands
3《古えの墳墓/Ancient Tomb》
2《島/Island》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1《山/Mountain》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4《Volcanic Island》


sideboard
3《血染めの月/Blood Moon》
2《炎渦竜巻/Firespout》
4《紅蓮破/Pyroblast》
2《貪欲な罠/Ravenous Trap》
1《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2《呪文貫き/Spell Pierce》
1《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》




《実物提示教育》と《エムラクール》だけでは枚数的な不安があるため、
1回殴れれば盤面に大きなダメージを残せる《エムラクール》の発射台として《騙し討ち》を採用し
追加のファッティとして《騙し討ち》と相性の良い《森滅ぼしの最長老》が採用されています。

現在では「スニーク・ショー」として一般的に知られているデッキの原型です。
青系のコンボの定例としてコンボパーツ以外の部分は青のドローソースとカウンターで占められ
コンボの完成をサポートします。


大会名:グランプリコロンバス10
日時:2010年7月31日ー8月1日
場所:アメリカ、コロンバス
参加者:1291

プレイヤー:Christopher Gosselin
最終成績:トップ8

4creatures
1《フェアリーの大群/Cloud of Faeries》
3《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》

36spells
4《渦巻く知識/Brainstorm》
2《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4《最後の審判/Doomsday》
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
4《Force of Will》
3《Lim-Dul's Vault》
1《睡蓮の花びら/Lotus Petal》
3《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》
1《分かち合う運命/Shared Fate》
3《実物提示教育/Show and Tell》
1《独房監禁/Solitary Confinement》
3《呪文貫き/Spell Pierce》
3《もみ消し/Stifle》
3《思考囲い/Thoughtseize》

20lands
1《 島/Island》
3《湿地の干潟/Marsh Flats》
4《汚染された三角州/Polluted Delta》
1《Scrubland》
3《殻船着の島/Sheldock Isle》
1《沼/Swamp》
1《Tundra》
4《Underground Sea》


sideboard
1《ハルマゲドン/Armageddon》
1《暗黒の儀式/Dark Ritual》
2《根絶/Extripate》
1《ドラゴン変化/Form of the Dragon》
3《水流破/Hydroblast》
3《虚空の力線/Leyline of the Void》
1《実物提示教育/Show and Tell》
1《断絶/Snap》
2《独房監禁/Solitary Confinement》



GPコロンバスでトップ8に入ったもう一つの《実物提示教育》デッキです。

「スニーク・ショー」と同じように《実物提示教育》で《エムラクール》を展開することもできますし
《最後の審判》と《殻船着の島》のコンボを利用して
《エムラクール》を“キャスト”して追加ターンを獲得することも出来ます。

実際のコンボ手順は非常に難解複雑なので、この場では省略させて頂きますが
場合によっては自分のライブラリーを空にした後
《分かち合う運命》を出して対戦相手のドローをロックすることもできる柔軟性の高いレシピです。
また、サイドボードにはビートダウン対策の《ドラゴン変化》が用意されており
《実物提示教育》はこれらの高カロリーなエンチャント群を展開するために用いられることもあります

稀に見る異常な高コストやリアニメイトのし難さから
実際の運用は困難だと考えられていた《エムラクール》でしたが
一度場に出てしまうと《剣を鋤に》のような通常の除去を受け付けないタフさ
ブロッカーと一緒に対戦相手のパーマネントを一掃してしまう滅殺能力
何よりも15と言うパワーの高さから決定力では右に出るものがいませんでした。

そしてこの《エムラクール》をあまりにも簡単に展開してしまう
《実物提示教育》は凶悪なコンボカードとして一躍注目を集めることになります。
主流となったのはコンボ手順がシンプルで必要パーツの少ない「スニーク・ショー」でしたが
その他にも様々なカードとの併用でレガシー環境を賑わしていくことになります
その中でも特に有力だったのが《集団意識》を利用したコンボデッキでした。


大会名:グランプリプロビデンス11
日時:2011年5月28−29日
場所:アメリカ、プロビデンス
参加者:1179

プレイヤー:Bryan Eleyet
最終成績:準優勝

3creatures
3《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》

39spells
4《渦巻く知識/Brainstorm》
3《Force of Will》
3《厳かなモノリス/Grim Monolith》
4《集団意識/Hive Mind》
3《直観/Intuition》
3《精神的つまづき/Mind Misstep》
2《誤った指図/Misdirection》
4《否定の契約/Pact of Negation》
3《タイタンの契約/Pact of the Titan》
4《思案/Ponder》
4《実物提示教育/Show and Tell》
2《召喚士の契約/Summoner's Pact》

19lands
4《古えの墳墓/Ancient Tomb》
2《裏切り者の都/City of Traitors》
1《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4《島/Island》
2《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2《汚染された三角州/Polluted Delta》
2《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2《Volcanic Island》

sideboard
1《Force of Will》
4《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
3《セファリッドの女帝ラワン/Llawan, Cephalid Empress》
1《精神的つまづき/Mental Misstep》
3《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
3《貪欲な罠/Ravenous Trap》




元々はエクステンデッド由来のデッキで、高速で《集団意識》を出し、コストが支払えなかった場合
問答無用で敗北する各種《契約》呪文を相手に押し付けて勝利を目指します。

活躍の場をレガシーに移すと《古えの墳墓》のような2マナランド
《厳かなモノリス》のような優秀なマナ加速に加えて、《実物提示教育》を展開手段の1つとして獲得し
更には《エムラクール》までを1つのパッケージとして採用しています。
他の《実物提示教育》+《エムラクール》デッキとは異なる点は
戦闘によらない勝利手段として《集団意識》のコンボを搭載されているため
《Karakas》や《忘却の輪》のような《実物提示教育》にとってガンとなるカードを回避したり
《平和の番人》のような攻撃制限を設けるカードに対しても有利に立ち回れます。

また逆に言えば《エーテル宣誓会の法学者》のようなコンボ対策カードを出されていても
《エムラクール》を展開することで容易に盤面をひっくり返すことが出来ます。
《実物提示教育》の性質を活かした柔軟なデッキだと言えるでしょう。


この様に《エムラクール》の登場によって《実物提示教育》と言うカードが
一躍トーナメントクラスのカードとして認識されるまで昇華されました。


新世代のコンボデッキとして一世を風靡した「スニーク・ショー」でしたが
上記にも挙げた通り、勝利手段を最終的にはファッティによるビートダウンに依存しているのが
このデッキの1つの弱点でもあります。

情報が流通するに連れて《Karakas》や《忘却の輪》
はたまたバウンス能力を持つPW《精神を刻む者、ジェイス》によって
《エムラクール》を対処する事が可能だということが認識されると
それを逆手にプロテクション(すべて)という掟破りの除去耐性を持つ《大祖始》が
第二のファッティとして採用されることが多くなります。

しかし、この《大祖始》にしても黒の布告系除去によって《エムラクール》ともども対処可能であったり
場合によっては《殴打頭蓋》とのダメージレースで負けてしまったりと
盤面制圧力でやや難のあるカードでした。

また《神秘の教示者》が禁止された後も尚コンボデッキの雄として環境に影響力を持っていた
「ANT」と比較すると「スニーク・ショー」はスピードで若干劣る面があり
メタゲーム上で活躍するデッキであっても支配的な立ち位置というにはほど遠いのが実際の状況でした。

レガシーで活躍するのに充分なデッキパワーを持ちながらも
やや不幸な境遇に見舞われていたそんな「スニーク・ショー」でしたが
2012年の5月、ついに悪魔が救いの手を差し伸べることになります。
アヴァシンの帰還での《グリセルブランド》の登場です。

大会名:日本レガシー選手権12
日時:2012年6月24日
場所:神奈川県横浜
参加者:356

プレイヤー:Yasuda Masayuki
最終成績:トップ8

8creatures
4《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》
4《グリセルブランド/Griselbrand》

33spells
4《渦巻く知識/Braistorm》
4《Force of Will》
3《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
2《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
3《水蓮の花びら/Lotus Petal》
4《思案/Ponder》
2《定業/Preordain》
4《実物提示教育/Show and Tell》
4《騙し討ち/Sneak Attack》
3《もみ消し/Stifle》

19lands
2《古えの墳墓/Ancient Tomb》
2《裏切り者の都/City of Traitors》
3《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
2《島/Island》
1《山/Mountain》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2《Tundra》
3《Volcanic Island》


sideboard
1《解呪/Disenchant》
1《残響する真実/Echoing Truth》
1《狼狽の嵐/Flusterstorm》
1《金粉のドレイク/Gilded Drake》
3《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
1《紅蓮破/Pyroblast》
3《紅蓮地獄/Pyroclasm》
1《赤霊破/Red Elemental Blast》
3《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》




7/7、飛行、絆魂と恵まれた基本能力に加えて7点のライフを支払う事により
7枚のカードをドローできる《グリセルブランド》は現在禁止カードに指定されている
《ネクロポーテンス》や《ヨーグモスの取り引き》を彷彿とさせるドロー能力から
スポイラーに登場するやいなや、当初からレガシー界隈では注目の的でした。

クリーチャーであることを利用し「リアニメイト」デッキでの利用が見込まれましたが
《大祖始》の代替役として「スニーク・ショー」でもテストされることになります。

そして《グリセルブランド》の登場により、不遇な境遇であった「スニーク・ショー」は
一躍レガシー環境のスターダムへとのし上がって行きます。
《エムラクール》や《大祖始》と違って明確な除去耐性や破壊力を持つわけではありませんが
その脅威的なドロー能力によって除去から身を守るためのカウンターを確保出来ますし
仮に除去されてしまってもドローした7枚から即座に次の行動に移ることも可能です。



従来の「スニーク・ショー」に欠けていたコンボ後の持久力を付与し
一度場に出てしまえば幾らでもカウンターをつぎ込めるので他のコンボに対する耐性も向上しました
最速の《騙し討ち》から戦場に出てドロー能力を起動して《水蓮の花びら》と《エムラクール》を探し
ターン中に22点分のダメージを叩き出すという離れ業を見せることも少なくはありません。

同じく《グリセルブランド》を利用する「リアニメイト」デッキと比較すると
《再活性》によってライフ面での過剰なリスクを背負わずに済むのも1つのメリットだと言えます。

またラヴニカへの回帰が発売して以降は《死儀礼のシャーマン》と言う
メインボードから採用しやすい墓地対策が流行したこともあり
現在のレガシー環境のコンボデッキの筆頭候補に「ANT」や「リアニメイト」ではなく
この「スニーク・ショー」を挙げるプレイヤーも少なくはありません。

コンボデッキとして良い意味での単純さをもつ「スニーク・ショー」ですが
このデッキ以外にも《実物提示教育》の利用法があることは前回の「集団意識」でも紹介しました。
《エムラクール》との組み合わせの手軽さもあって意外な所で利用されることもあります。

大会名:Star City Games.com - Legacy Open Providence
日時:2012年10月14日
場所:アメリカ、プロビデンス
参加者:175

プレイヤー:Jeremiah Rudolph
最終成績:準優勝

7creatures
1《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》
1《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》
4《原始のタイタン/Primeval Titan》
1《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》

28spells
4《渦巻く知識/Brainstorm》
1《Candelabra of Tawnos》
4《輪作/Crop Rotation》
4《探検の地図/Expedition Map》
3《真髄の針/Pithing Needle》
4《撤廃/Repeal》
4《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》
4《実物提示教育/Sensei's Divining Top》

25lands
1《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
4《雲上の座/Cloudpost》
1《ウギンの目/Eye of Ugin》
1《Glacial Chasm》
4《微光地/Glimmerpost》
1《島/Island》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4《Tropical Island》
4《ヴェズーヴァ/Vesuva》
1《Karakas》


sideboard
3《虚空の杯/Chalice of the Void》
2《呪われたトーテム像/Cursed Totem》
4《狼狽の嵐/Flusterstorm》
3《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》
1《The Tabernacle at Pendrell Vale》
2《贓物の学者、ヴェンセール/Vender, Shaper Savant》




2種類目の神座の土地タイプを持つ《微光地》の登場により
《ヴェズーヴァ》と合わせて実質12枚のポストを利用できるようになった
通称「12ポスト」と呼ばれるデッキです。

《輪作》や《探検の地図》といった土地サーチ呪文の恩恵を受けて大量のマナを生成し
《エムラクール》を始めとするエルドラージ・クリーチャーのハードキャストを狙うデッキですが
サブプランとして《実物提示教育》が採用されています。
特殊地形を大量に並べるデッキの共通の弱点として
環境に《不毛の大地》と言う手軽な特殊地形対策があることが挙げられますが
この「12ポスト」もその被害を大きく被るデッキの1つです。

その対策として、通常はサイドボードから利用されることが多い
《真髄の針》をメインボードに取っていますが
《実物提示教育》を採用することで大量マナを経由せずに直接《エムラクール》を場に出したり
相手の想定よりも早い段階で展開することができるようになっています。
また、一度神座を並べ始めると並大抵のデッキでは歯が立たない様な
高マナ域クリーチャーの連打という異次元手法で攻めることができるデッキなので
《実物提示教育》から《原始のタイタン》を場に出して
早期に神座をかき集める戦略を肯定できることも1つの強みだと言えるでしょう。



2012年には《実物提示教育》の価値を更に引き上げるカードが他にも登場しています。
基本セットであるMagic2013で登場した青のエンチャント《全知》がそれです。

呪文のマナコストがすべて0になるという馬鹿馬鹿しいほど強力なカードで
その分本体である《全知》には10マナという非常に重いマナコストを要求されます。
しかし、この手の派手な能力を持ちつつ重いコストを持つパーマネントが
必然的に《実物提示教育》と相性が良いことは既に知られており
登場してすぐに《全知》を採用した《実物提示教育》デッキが開発されることになります。

黎明期は《エムラクール》や《グリセルブランド》を《全知》の能力でキャストしたり
《燃え立つ願い》によって《洞察力の花弁》というマニアックなカードをシルバーバレットして
任意の回数キャストした後にストーム呪文で勝負を決めるタイプが流行しましたが
現在ではギルド門侵犯で登場した《無限への突入》を利用したタイプが主流になりつつあるようです。

大会名:グランプリストラスブール13
日時:2013年4月13−14日
場所:フランス、ストラスブール
参加者:1363

プレイヤー:Jean-Mary Accart
成績:初日全勝

1creatures
1《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》

39spells
4《渦巻く知識/Brainstorm》
3《狡猾な願い/Cunning Wish》
3《ドリーム・ホール/Dream Halls》
4《無限への突入/Enter the Infinite》
4《Force of Will》
1《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
4《全知/Omniscience》
3《否定の契約/Pact of Negation》
4《思案/Ponder》
4《定業/Preordain》
1《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》
4《実物提示教育/Show and Tell》

20lands
4《裏切り者の都/City of Traitors》
4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
10《島/Island》
2《汚染された三角州/Polluted Delta》


sideboard
3《防御の光網/Defense Grid》
1《エラダムリーの呼び声/Eladamri's Call》
1《直観/Intuition》
3《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
1《有毒の蘇生/Noxious Revival》
1《否定の契約/Pact of Negation》
1《蟻の解き放ち/Relese the Ants》
1《急流/Rushing River》
1《サファイアの魔除け/Sapphire Charm》
1《殺戮の契約/Slaughter Pact》
1《計略縛り/Trickbind》




従来の《実物提示教育》を利用したデッキと比較すると
《エムラクール》の枚数が1枚しか採用されてなかったり
メインボードから《否定の契約》が取られていたりと大分戦略が異なることが伺えます。

《無限への突入》は自分のライブラリー全てを引ききると言う
《エムラクール》や《全知》と同レベルに狂ったソーサリー呪文です。
当然、前例に習って12マナという高コストが設定されており
これをキャストするために《全知》に加えて《ドリーム・ホール》が採用されています。


組み合わせで書き出すと、

実物提示教育+引き裂かれし永劫、エムラクール
実物提示教育+全知+無限への突入
実物提示教育+ドリーム・ホール+無限への突入
ドリーム・ホール+無限への突入


のいずれからでもコンボが成立し、もし《エムラクール》や《無限への突入》が手札になかったとしても
《全知》が出ている状況だと《渦巻く知識》などのドロースペルから
次のドロールスペルを連鎖的にキャストしてコンボパーツを探しにいけるので
見切り発車になってもある程度の確度でコンボを遂行することができます。

一度《無限への突入》をキャストさえしてしまえば《Force of Will》や
《否定の契約》と言った確定カウンターで相手の妨害をいっさい受け付けず
安心してコンボを続けられるようになります。
ライブラリーが手札になり《全知》によって全ての呪文がフリースペルになるので
フィニッシュ手段には様々な手段が用いられますが
このデッキリストではライブラリーを《エムラクール》が1枚だけにした上で
《狡猾な願い》から《蟻の解き放ち》を引っ張り、激突によって好きなだけキャストすると言う
奇想天外な方法が採用されています。

《実物提示教育》自体もそうなのですが、カードプールの広がることにより
意外なカードの、意外な利用法が見つかるのは如何にもレガシーらしくて面白いです。



さて、如何だったでしょうか?
各種エルドラージを始め、《全知》《無限への突入》と言った超大型呪文が連発した
派手なコラムになってしまいました。
また《実物提示教育》という1枚のカードに焦点を当てたため
多種類のバリエーションを紹介することになり少し判り難い文章になってしまったかもしれません。
その場合はコメントの方までご意見を頂けたら、これからのコラムの参考とさせて頂きますので
よろしくお願いします。

では皆さんの良いレガシーライフを祈って!!



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レガシーから見たドラゴンの迷路#後編

前回の続きになります。

前回はデッキの主役を張るカードを見てきましたが、今回は各種デッキパーツです。
早速見ていきましょう。


2、汎用性が高い
どんなデッキにも腐りにくい妨害系のカードや、ドローやマナ補助など
デッキの潤滑油として運用されるカードが集まるカテゴリです。
派手さこそありませんが、歴代のグッドスタッフ的なパーツが競争相手になるので非常にシビアだったりします。


■遠隔//不在  (1)(U)//(2)(B)
インスタント//インスタント

クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
//
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げる。

融合



旧ラヴニカブロックでも最終セットの目玉の一つとして用意されていた分割カードですが
今回は融合というキーワードを引っさげて戻ってきました。
今までの分割カードは半分のうちどちらかを選んでキャストしていましたが
『融合』を持つ分割カードは両方のマナコストを支払うことで

『2つを合わせて1つの呪文』としてスタック上で処理されます。

今まで2つのモードからしか選べなかったのが、3つから選べるようになったのは嬉しいパワーアップです
詳しい挙動は公式ページでフォローされているので気になる方は目を通しておきましょう。


さて、《遠隔//不在》は青と黒の特殊なクリーチャー除去がセットになっています。

青の《遠隔》はバウンス、黒の《不在》はいわゆる布告系除去です。
バウンスは自分の生物を対象にして相手の除去を回避したり
Cip能力(戦場に出た時の誘発効果)を再利用できる汎用性をもっていますが
一時しのぎにしかならない点で除去としては二流でした。

逆に布告系除去はプロテクションや、呪禁などの厄介な能力を持つクリーチャーを
問答無用で対処できる代わりに相手が複数のクリーチャーをコントロールしていると
本命を処理出来ないという弱点を抱えていました。
これら2種類がコンパチになることにより、盤面とタイミング次第で七色の働きができるカードが登場しました。
『融合』のモードは5マナと少し重いですが、戦況が長引いた状況ならば1枚でアドバンテージを稼ぐこともできます。
《Force of Will》の本来のマナコストが同じ5マナだということを考えると
融合モードにお世話になることも多いかもしれません。

クリーチャーを積極的に展開するようなデッキならば腐ることなく運用できるでしょう。
特に『青白石鍛冶』デッキならば、Cip能力を持つクリーチャーも多いのですんなりと入ります
汎用性が高く、《実物提示教育》や《聖トラフトの霊》など環境でよく見るカードに対しての
アンチカードになるので地味ながら活躍してくれそうです。


3、特定のデッキに刺さる
メインボードからは入れたくないけど、サイドカードとしては優秀なカードもあります
メタゲーム次第で採用率が大きく変わってしまいますが、いざ出された場合に
知ってると知らないとでは雲泥の差が出てくることもあるので注意したいカード群です。


■復活の声  (G)(W)
クリーチャー - エレメンタル

対戦相手1人があなたのターンに呪文を1つ唱えるたび、または復活の声が死亡したとき、「このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれあなたがコントロールするクリーチャーの総数に等しい。」を持つ緑であり白であるエレメンタル・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

2/2



今回のトップレアの1枚と噂される神話レアカードです。
2マナ2/2と殴るのに充分なサイズと、対戦相手に依存するトークン生成能力を持っています
このカードが場に出ている限り対戦相手は余程のことがないとインスタントタイミングでのカウンターや除去が撃ちづらくなります。

注意したいのは、非常に優秀な能力ではあるのですが対処自体はそこまで難しくないということです。
環境でもっともよく使われる除去が《剣を鋤に》なので、《復活の声》をキャストした返しに
農場送り(剣を鍬に)されることは少なくないでしょう。
また『青白奇跡』のような重いコントロールデッキであれば《終末》で生成したトークンごと
盤面を一掃する事も簡単です。

しかし、逆に言えば白を含まないデッキでは1対1交換をするのがとても困難です
たとえば『カナディアン・スレッショルド』がこのカードをカウンターし損ねた場合
その後のカウンターには大きなリスクがつきまとい火力で除去しようにも
状況によっては《タルモゴイフ》よりも大きなクリーチャーが戦場に残ることもありそうです。

また《老練の探検者》同様チャンプブロックされても厄介なのでアタックも難しくなります。
現在のレガシーのデッキで除去を白に頼らないコントロールデッキは上記で挙げた
『カナディアン・スレッショルド』
青黒緑で構成される『BUG続唱』程度ですが、それらのデッキに対してはなかなか嫌らしい働きをしてくれます

《スレイベンの守護者、サリア》や《ガドック・ティーグ》などとは異なり
コンボデッキ相手に大した仕事をしてくれないものの、一種のヘイトベアと考えて運用ができます。
このカードを最も採用しやすいであろう『マーベリック』が元々「カナディアン・スレッショルド」に
ある程度強く、逆に「青白奇跡」に対して弱いことは逆風ですが試す価値はあるでしょう。

またトークン系のデッキのように元々横に並べるのが得意なデッキで使うと
生成されるトークンが驚異的なサイズになるのも見逃せません。


・概念泥棒  (2)(U)(B)
クリーチャー - 人間・ならず者

瞬速
対戦相手1人が自分の各ドロー・ステップで引く1枚目のカード以外にカードを1枚引く場合、代わりにそのプレイヤーはドローを飛ばし、あなたはカードを1枚引く。

3/1



対戦相手のドローを盗んでしまうクリーチャーです。
近いテキストを持つ《盗用》は効果が1ターン限定なのと、効果自体が限定的なのでほとんど使われることはありませんでしたが
《概念泥棒》の場合瞬速を持つクリーチャーなので生きている限り効果が永続し
どんなときでも最低限の仕事ができるので大分使いやすくなっています。

レガシーの青いデッキで採用率が非常に高い《渦巻く知識》のキャストに対応して召喚できると
『こちらが3枚ドロー』『あちらが2枚疑似ディスカード+トップの2枚が確定』と
大きくアドバンテージが取れるのが最大の魅力といっていいでしょう。

《渦巻く知識》以外にも《思案》、《定業》、《精神を刻む者、ジェイス》、《森の知恵》・・・など
優秀なドローカードが多い環境なので泥棒できるタイミングは少なくありません。
単純に戦場に出ているだけでドロー調整がしにくくなるので青いデッキにとっては非常やっかいです。
一度相手のドローを泥棒できれば、後は適当にチャンプブロックに回しても
アドバンテージ的には得をしているのも嬉しいところです。

もっとも相手が追加のドローをしないデッキだった場合、4マナで瞬速をもつ3/1のバニラでしかないので
基本的にはサイドボードに潜んで相手のデッキを確認して投入する形になります。
また非常に強力な常在型能力ですが、4マナ域には役割が異なるとは言え
《精神を刻む者、ジェイス》が存在するのは若干不遇かもしれません。
なんにせよ、相手のターンエンドに手軽に《渦巻く知識》をキャストできなくなるとすればそれは非常に面白く
青が環境を支配するようなメタゲームでは充分活躍してくれそうなクリーチャーです。


4、優秀なクロック
序盤に出せて確実に相手のライフを削ってくれるクリーチャーには、デッキのコンセプトにもなるものも多いです
《タルモゴイフ》や《秘密を掘り下げる者》、《野生のナカティル》などが有名ですが
ドラゴンの迷路にはこれらのカードと比肩するほどソリッドなカードはありません。
しかし、別のやり口で活躍しそうなクロックが存在します。


■ワームの到来  (1)(G)(G)(W)
インスタント

トランプルを持つ5/5のワーム・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。



4マナで5/5のクリーチャーは《ブラストダーム》ですら活躍できないレガシー環境ですが
インスタントタイミングで登場するのならば話は少し変わってきます
5/5というサイズもかなり優秀ですが、それ以上にインスタントなのが重要で
すなわち一種の除去カードとしての運用が見込めます。

対戦相手が不用意に攻撃してきた中型クリーチャーをブロックしつつ
返しのターンから5/5で殴るというプランは非常に魅力的です。
このサイズならば並の《タルモゴイフ》(クリーチャー、土地、インスタント、ソーサリーの4/5)ならば
一方的に返り討ちにできるというのも好材料です。

もっともレガシーで4マナの呪文が相手のスピードに間に合っているのかどうかは考えないといけない点です。
自分のライフがレッドラインに達している状況でキャストして、《目くらまし》や《呪文貫き》に打ち消されるというのはあまりしたくない想像です。
また対コンボではあまり手札にきてほしくないカードなのも懸念材料になるでしょう。
色の合う「Zoo」や「マーベリック」ではマナコストやカードタイプの関係上採用しづらく
居場所を作るのが難しそうですがカードパワー自体はドラゴンの迷路の中でも屈指のものを持っています。


自分の気になるカードを挙げるだけ挙げて、具体的な活用法を書かない人任せなコラムになってしまいました。
ドラゴンの迷路発売後にどんなデッキが活躍するのか今から楽しみです
この記事が少しでもデッキ作りの手助けになれたら幸いです。



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