KMC開催予定
80th KMC
7月15日(土)
受付:13:15
開始:14:00
参加費:1000円
定員:90人
会場:港区民センター
最寄り駅:地下鉄中央線・JR環状線  弁天町駅 徒歩7分

【今後の予定を更に見る】


関西レガシーカレンダー(間違っていても責任は負いません。)
79th KMC Final Movie

【コラム】MUDの軌跡

暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか?
あまりの猛暑に冷房代がかさみ、8月の電気料金にヒヤヒヤする毎日を送るぐーんです。



今回のお題は【MUD】です。

大量のマナ加速からレガシー環境ではあまり採用されることがない
5~6マナ以上の重量級スペルを連打する非常に爽快感のあるデッキです。
メタゲームの中で有力なデッキとは言えませんが、古いカードが活躍することからファンも多く
ブン回りのパターンも持つため対処法を知らないとあっさりと負けてしまう怖いデッキの1つだと言えます。
今回はそんな【MUD】のルーツを探っていきましょう。

【MUD】の様に重いカードを連打しカードパワーの差でアドバンテージを稼いでいくデッキを最近では「ランプ」
あるいは『ビッグマナ』と呼びますが、より古い言葉を探していくと『Tinker戦略』という言葉が存在します。


この言葉は2001年に《Mike Flores》がコラムの中で使ったのが発祥です
(参考URL http://www.wizards.com/sideboard/JParticle.asp?x=sb20010607a,,ja)。

『ビックマナ』であれ『Tinker戦略』であれ共通しているのは『対戦相手よりも強いカード』を利用して勝つという点です


名前の由来である《修繕/Tinker》のイメージから誤解しやすいですが『Tinker戦略』とは
『大量のマナ加速と、高マナ域の呪文を1つのパッケージにする構築の総称』だと言えます。
デッキの半分をマナソース、もう半分を重く強烈な呪文で構成して「強い」カードで勝利を手にして行くと言う意味では
現在使われる『ビッグマナ』とそこまで変わりませんが、【MUD】のデッキデザインは《Mike Flores》が紹介しているようなデッキの色合いを濃く継承しているため
今回は『Tinker戦略』を1つの補助線として【MUD】を考えていこうと思います。

では、《Mike Flores》のコラムの中でも紹介されている『Tinker戦略』を用いるデッキを見ていきましょう。

大会名:世界選手権99
日時:1999年8月1-5日
大会フォーマット:混合
フォーマット:スタンダード(第六版+テンペストブロック+ウルザブロック)
プレイヤー:Kai Budde
最終成績:優勝

(8)//Creatures
4《欲深きドラゴン/Covetous Dragon》
3《マスティコア/Masticore》
1《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》

(32)//Spells
4《呪われた巻物/Cursed Scroll》
4《緋色のダイアモンド/Dire Diamond》
4《厳かなモノリス/Grim Monolith》
4《スランの発電機/Thran Dynamo》
4《束の間の開口/Temporal Aperture》
4《通電式キー/Voltaic Key》
4《燎原の火/Wildfire》
2《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》
2《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》

(20)//Lands
4《裏切り者の都/City of Traitors》
3《古えの墳墓/Ancient Tomb》
13《山/Mountain》

■Sideboard
4《呪文ショック/Spellshock》
3《地震/Earthquake》
2《沸騰/Boil》
2《荒残/Rack and Ruin》
2《破壊的脈動/Shattering Pulse》
1《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》
1《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》



マジック史上最強のプレイヤーの1人にも挙げられる《Kai Budde》がその名を広く知らしめた「赤茶単」です。

トレイターtゥーム
メインボードでは2種類の2マナランドに加えて14枚のマナ・アーティファクト、
更に《通電式キー/Voltaic Key》や《束の間の開口/Temporal Aperture》の様に
実質的にマナ加速として機能するアーティファクトまで採用され
マナソースとそれを補助するカードが都合44枚投入されています。

この潤沢なマナ基盤から当時流行していた「赤単ポンザ」や「緑単ストンピィ」の様な
軽量クリーチャーに強い《マスティコア/Masticore》や《燎原の火/Wildfire》で盤面を制圧していきます。

マスティ_燎原ドラゴン
特に大量のマナアーティファクトを利用する事から《燎原の火/Wildfire》による土地破壊のダメージが比較的軽症で済ませられ、一度開いたマナ格差を覆せないレベルに押し広げることができます。

《Kai Budde》が世界を制覇した翌年にもう1人の最強プレイヤー、《John Finkel》が世界一の座を射止めたデッキもアーティファクトを多用したものでした。
ただし前年の《Kai Budde》の「赤茶単」とは異なりメインカラーに青を据えた「青茶単」
あるいは「スーサイドブラウン」と呼ばれるデッキです。

大会名:世界選手権00
日時:2000年8月2-6日
大会フォーマット:混合
フォーマット:スタンダード(第六版+ウルザブロック+マスクスブロック)
プレイヤー:John Finkel
最終成績:優勝

(9)//Creatures
4《マスティコア/Masticore》
4《金属細工師/Metalworker》
1《ファイレクシアの巨像/Phyrexian Colossus》

(30)//Spells
4《渦巻く知識/Brainstorm》
4《修繕/Tinker》
4《厳かなモノリス/Glim Monolith》
4《ファイレクシアの処理装置Phyrexian Processor》
4《絡み付く鉄線/Tangle Wire》
4《スランの発電機/Thran Dynamo》
4《通電式キー/Voltaic Key》
1《崩れゆく聖域/Crumbling Sanctuary》
1《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》

(21)//Lands
9《島/Island》
4《水晶鉱脈/Crystal Vein》
4《リシャーダの港/Rishadan Port》
4《サプラーツォの岩礁/Saprazzan Skerry》

■Sideboard
4《無効/Annul》
4《寒気/Chill》
4《誤った指図/Miscalculation》
2《水位の上昇/Rising Waters》
1《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》



テンペストブロックの2マナランドを失った代わりに、【赤茶単】では《燎原の火/Wildfire》と相性が悪く
採用されていなかった《金属細工師/Metalworker》やサーチとマナ加速を兼ねる《修繕/Tinker》が投入されています。

ワーカーテンカー
これらを含めてマナソースとして数えられるカードは41枚と「赤茶単」程ではないにせよ
安定したマナ基盤から重量級の呪文を連打するデッキ構成です。

《燎原の火/Wildfire》の様に盤面をリセットできる呪文は採用されていませんが
《からみつく鉄線/Tangle Wire》や《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》で相手の動きを縛ってコントロールをします。
当時は《リシャーダの港/Rishadan Port》と言う強力なマナ拘束カードが存在したこともあって
「スーサイドブラウン」側のマナ基盤が完成するまでの時間稼ぎとしては充分機能しマナ基盤が揃ってしまえば
《マスティコア/Masticore》や《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》の様に
豊富なマナを最大限活用できるファッティで相手を蹂躙します。

わいやーりしゃぽらせん

その他、マナ加速が間に合わないビートダウンに対しては《崩れゆく聖域/Crumbling Sanctuary》と言う
最終兵器を抱えこれら多種多様なアーティファクトを状況によってサーチ出来る《修繕/Tinker》によって
柔軟に立ち回れる器用さを持つデッキです。
また《修繕/Tinker》によって最速2T目に《ファイレクシアの巨像/Phyrexian Colossus》を盤面に出す高速性も見逃せません。

聖域コロプロセッサ


この後、ミラディンブロックで重く派手なアーティファクトが多数登場した頃のエクステンデッド環境で
マナ加速、兼、サーチとしての真価を発揮することになる《修繕/Tinker》ですが
高速化に偏重したこの時期の「ティンカー」はここまで紹介した『Tinker戦略』のデッキとは速度と決定力の2点で
別次元のデッキといって差し支えありません。

2003年に行われたプロツアーニューオリンズで暴れに暴れた結果、デッキのキーカードである《修繕/Tinker》と
高速化を支えた《厳かなモノリス/Grim Monolith》《古えの墳墓/Ancient Tomb》が禁止カードに指定され
エクステンデッドの舞台を去ることになります。


さて、ここまでは現在レガシーで使われている【MUD】の遠い祖先にあたるデッキを紹介してきました。
【MUD】の直接的なルーツとなるデッキは「ティンカー」と同じくミラディンが登場した時期のヴィンテージで成立します


《巨大戦車/Juggernaut》をメインクロックとする事から【5/3】と呼ばれたアーティファクト中心のビートダウンなのですが、デッキの最大の特徴は妨害手段として《三なる宝球/Trinisphere》を採用していることでした。

Juggernaut_3E.jpg

スタンダード当時ではあまり使われるカードではありませんでしたが、各種モックスや教示者《Ancestral Recall》等
低マナ域に強力なカードがひしめくヴィンテージ環境では一度出されるとデッキが全く動かなくなることも珍しくなく
アーティファクト限定ながらノーリスクで3マナを生み出せる《Mishra's Workshop》の存在もあって
非常に危険なカードの1枚として認識されるようになりました。

J_E_R_P_S_Wk.jpg
あまりに環境に対する影響が大きいため《三なる宝球/Trinisphere》は制限カードに指定されてしまいますが
《Mishra's Workshop》自体がそもそも強力無比であったため《からみつく鉄線/Tangle Wire》や
《煙突/Smokestack》のような代替のロック要素と《金属細工師/Metalworker》と言う
第2のマナエンジンを迎えて組まれたのが【MUD】でした。



ヴィンテージ版の【MUD】はこれまで紹介している「茶単」系のデッキと異なりロック要素を主軸とした構築を押し進めている点で画期的です。
従来の『Tinker戦略』でも《燎原の火/Wildfire》や《からみつく鉄線/Tangle Wire》のような様な
マナロックの要素は取り入れられていましたがそれらは限定的であり
あくまで大量マナによるコントロールの補助要素という意味合いが強いものでした。
しかし《Mishra's Workshop》の存在により最序盤からロック状態に持ち込めるヴィンテージ環境では
それ自体が強力なコントロール手段としてデッキコンセプトを成立させ
【MUD】は現在でもヴィンテージの主要なメタの一角として活躍しています。

ワールドウェイクでクロックとマナ拘束の両方をこなす《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》が登場してからは

ロドストーン
《金属細工師/Metalworker》によるマナ加速をオミットしロック要素とビートダウンに特化する形が主流になりました

大会名:ヴィンテージ選手権12
日時:2012年8月17日
大会フォーマット:ヴィンテージ
プレイヤー:Blaine Christiansen
最終成績:準優勝

(15)//Creatures
4《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
3《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》
3《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
3《トリスケリオン/Triskelion》
2《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》

(26)//Spells
1《Black Lotus》
1《Mox Emerald》
1《Mox Jet》
1《Mox Pearl》
1《Mox Ruby》
1《Mox Sapphire》
1《魔力の櫃/Mana Vault》
1《Mana Crypt》
1《太陽の指輪/Sol Ring》
1《三なる宝球/Trinisphere》
4《虚空の杯/Chalice of the Void》
4《からみつく鉄線/Tangle Wire》
3《世界のるつぼ/Crusible of Worlds》
3《煙突/Smokestack》
2《漸増爆弾/Ratchet Bomb》

(19)//Lands
4《古えの墳墓/Ancient Tomb》
4《埋没した廃墟/Buried Ruin》
4《Mishra's Workshop》
4《不毛の大地/Wasteland》
1《裏切り者の都/City of Traitors》
1《露天鉱床/Strip Mine》
1《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》


■Sideboard
4《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
4《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
3《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》
3《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
1《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》



ヴィンテージ環境での【MUD】の活躍は目覚ましく
レガシーに似たような戦術を持ち込むことは初期から画策されていましたが
《Mishra's Workshop》や各種モックスはおろか
《金属細工師/Metalworker》や《厳かなモノリス/Grim Monolith》すら禁止されていた
初期のレガシー環境においてはヴィンテージと同じ形で戦術を再現することはできませんでした。

しかし初期のレガシー環境でも《虚空の杯/Chalice of the Void》と《Force of Will》で
早期に展開したフライヤーを援護し足りない攻撃力を各種装備品で補う
【フェアリーストンピィ】がトーナメントで結果を残していました。

そして次元の混乱によってマナ加速の《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》を
未来予知によって生きている《血染めの月/Blood Moon》である《月の大魔術師/Magus of the Moon》を獲得したことによってヴィンテージ版【MUD】に近いロックの速度を持つ【ドラゴンストンピィ】が登場することになります。


大会名:ベルギーレガシー選手権(参考URL http://www.magicclubmol.be/files/results/20071222.pdf
日時:2007年12月22日
プレイヤー:Jean-Marie Desruelle
最終成績:4位

(20)//Creatures
4《弧炎撒き/ Arc-Slogger》
4《ギャサンの略奪者/Gathan Raiders》
4《月の大魔道士/Magus of the Moon》
4《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》
4《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》

(22)//Spells
4《虚空の杯/Chalice of the Void》
4《三なる宝球/Trinisphere》
4《金属モックス/Chrome Mox》
4《血染めの月/Blood Moon》
3《煮えたぎる歌/Seething Song》
3《火薬樽/Powder Keg》
 
(18)//Land
4《古えの墳墓/Ancient Tomb》
4《裏切り者の都/City of Traitors》
10《山/Mountain》


■Sideboard
4《Pyrokinesis》
3《破壊放題/Shattering Spree》
3《テフラダーム/Tephraderm》
2《Anarchy》
2《紅蓮地獄/Pyroclasm》
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》



《虚空の杯/Chalice of the Void》《三なる宝球/Trinisphere》に加えて《血染めの月/Blood Moon》と
《月の大魔術師/Magus of the Moon》と言う4種類のロック要素全てを最大限投入し

M_C_T_B.jpg

レガシーの多色・軽量環境に対するメタデッキとして登場したのが【ドラゴンストンピィ】でした。

2種類の《月》はフェッチランド・デュアルランドによって多色化が容易であり
赤単色のデッキが【ゴブリン】と【バーン】程度しか存在しないレガシー環境では
広いデッキに致命的なダメージを与えることができるカードです。

また、ヴィンテージ環境ほど軽くないにせよ多くのデッキが1~2マナ域のカードを主要な戦力とするレガシーでも
早期に解決された《虚空の杯/Chalice of the Void》《三なる宝球/Trinisphere》は多くのデッキを機能不全に追い込むフィニッシュムーブになりえます。

特に《虚空の杯/Chalice of the Void》は【ドラゴンストンピィ】が用意する数少ないクロックを
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》に代表される各種1マナ除去から保護する攻防の要ともいえるカードです。
これらの強力なロック要素を2マナランドや《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》から高速で展開し
対戦相手の動きを止めているうちに中堅クロックで迅速に殴りきるのが基本的な戦略です。

クロックとして選ばれているカードはマナ加速の為に手札を消費しやすいデッキの性格を利用した
《ラクドスの地獄ドラゴン/Rakdos Pit Dragon》《ギャサンの略奪者/Gathan Raiders》と言った

G_R.jpg

暴勇持ちのクリーチャーが好んで採用されていましたが
最近ではお互いのプレイヤーが呪文をキャストし難くなる事から、イニストラードブロックの変身を持つ
狼男クリーチャーが採用されることもあるようです。

09年~10年にかけ《金属細工師/Metalworker》《厳かなモノリス/Grim Monolith》が立て続けに禁止解除され
ミラディンの傷跡ブロックで強力なアーティファクトが多数登場したことで
レガシー環境でも【MUD】が組まれるようになります。

大会名:Star City Games Legacy Open
日時:2013年6月16日
プレイヤー:Richard Roberts
最終成績:14th

(20)//Creatures
4《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》
4《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》
4《金属細工師/Metalworker》
3《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
1《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
1《マイアの戦闘球/Myr Battelesphere》
1《鋼のヘルカイト/Steel Helkite》
1《隔離するタイタン/Sundering Titan》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
 
(17)//Spells
4《虚空の杯/Chalice of the Void》
4《厳かなモノリス/Glim Monolith》
2《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
2《三なる宝球/Trinisphere》
2《通電式キー/Voltaic Key》
1《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
1《威圧の杖/Staff of Domination》
1《千年霊薬/Thousand-Year Elixir》

(23)//Lands
4《ダークスティールの城塞/Darksteel Citabel》
4《大焼炉/Great Furnace》
4《古えの墳墓/Ancient Tomb》
4《裏切り者の都/City of Traitors》
4《不毛の大地/Wasteland》
3《魂の洞窟/Cavern of Souls》


■Sideboard
2《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》
2《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
2《世界のるつぼ/Crusible of Worlds》
2《漸増爆弾/Ratchet Bomb》
2《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》
1《白金の帝像/Platinum Emperion》
1《映し身人形/Duplicant》
1《罠の橋/Ensnaring Bridge》
1《イシュ・サーの背骨/Spine of Ish Sah》
1《三なる宝球/Trinisphere》



レガシーの【MUD】は伝統的な『Tinker戦略』から受け継いだ大量マナからファッティを繰り出す戦略と
ヴィンテージ版【MUD】譲りのロック要素の両方の遺伝子を持ったデッキです。

《金属細工師/Metalworker》と《厳かなモノリス/Grim Monolith》《通電式キー/Voltaic Key》と言った
常連とも言える面々に加えて、無色の《修繕/Tinker》として機能する
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》とアーティファクトを再利用する
《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》が4枚ずつ採用されファッティを効率よく運用できる構成を取っています。

M_G_V_G_K.jpg

《虚空の杯/Chalice of the Void》と相性が悪いといえる《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》ですが
先置きするか、ゴブリン指定の《魂の洞窟/Cavern of Souls》があれば問題なく運用できます。

ミラディンの傷跡ブロックからは破壊不能と感染を持ちワンパンチで対戦相手を倒せる
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》、トークンなど横に並べるデッキに滅法強い
《鋼のヘルカイト/Steel Hellkite》サイズと絆魂で対戦相手のビートダウンを阻む
《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》など個性的で強力なカードが多数採用されています。

W_B_H.jpg

中でも《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》からの運用が前提ながらも
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》の持つ破壊力は高く1ターン目に2マナランドから
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》、2ターン目に5マナを捻り出し
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》を装備して
即起動から《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》が速攻でアタックしてくる姿は
もはやコンボデッキの領分と言ってもいいでしょう。


ロック要素としては《虚空の杯/Chalice of the Void》、《三なる宝球/Trinisphere》に加えて
《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》が採用されファッティによるビートダウンを支援する形を取っています。

先ほども書いた通り、レガシーではヴィンテージ環境ほど序盤のマナ加速の自由が利かず
同じ【MUD】のカテゴリの中でもロック要素を薄くして大量マナの生成に特化するデッキも存在します。

上で紹介した【MUD】は赤をタッチして《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》を採用する形を取っていますが
デッキによっては色を採用することなく完全無色でデッキを構成するものや
アーティファクトに関係の深いプレインズウォーカー《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》のために、青と黒をタッチする形も存在し一概にどれが【MUD】の主流の形であるとはいえないのが現状です。

またデッキコンセプトにしても、『Tinker戦略』とロック要素のどちらに主軸を置くのかで大きく構成が変わるため
デッキデザイナーのさじ加減1つで必要不可欠と思えるパーツが採用されないことも珍しくありません。
ほとんどのデッキに共通して採用されるカードは2マナランドと《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》ぐらいで
それ以外のパーツはデッキコンセプトの影響で千差万別していきます。



ある意味では【MUD】とはアーティファクトを中心とし大量マナでメタゲームの軸からずれた戦略を取るデッキの総称だ!!と、言ってもいいほど裾野が広いデッキになっています。

今回は最後に色をタッチしない【MUD】から派生し、最早殆ど別物と言って良い様な構成へと変化したデッキを紹介して終わりにしようと思います。


大会名:晴れる屋木曜レガシー20時の部
日時:2013年7月22日
プレイヤー:Jincho Takayoshi
最終成績:3ー0

(6)//Creatures
3《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
1《隔離するタイタン/Sundering Titan》
1《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》
1《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》

(24)//Spells
4《探検の地図/Expedition Map》
4《厳かなモノリス/Grim Monorith》
4《真髄の針/Pitching Needle》
3《全ては塵/All is Dust》
3《ニンの杖/Staff of Nin》
2《世界のるつぼ/Crusible of Worlds》
1《精神隷属器/Mindslaver》
1《イシュ・サーの背骨/Spine of Ish Sah》
1《Candelabra of Tawnos》
1《交易所/Trading Post》

(30)//Lands
4《雲上の座/Cloudpost》
4《微光地/Glimmerpost》
4《ヴェズーヴァ/Vesuva》
3《演劇の舞台/Thespian's Stage》
3《古えの墳墓/Ancient Tomb》
3《Maze of Ith》
1《埋没した廃墟/Buried Ruin》
1《黄塵地帯/Dust Bowl》
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
1《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1《Karakas》
1《ウギンの目/Eye of Ugin》
1《Diamond Valley》
1《暗黒の深部/Dark Depths》
1《The Tabernacle at Pendrell Vale》

■Sideboard
4《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
4《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》
3《呪われたトーテム像/Cursed Totem》
3《漸増爆弾/Ratchet Bomb》
1《世界のるつぼ/Crusible of Worlds》



《雲上の座/Cloudpost》から出る大量のマナを利用するいわゆる【12post】なのですが
通常の【12post】が緑の土地サーチや、青のドロースペルをサポートとして利用するのに対し
このデッキは完全無色で構成されています。

C_G.jpg

土地をサーチできるカードは4枚の《探検の地図/Expedition Map》のみですが
1枚でも《雲上の座/Cloudpost》が手に入れば《微光地/Glimmerpost》と2種類の土地をコピーする土地によって
瞬く間にマナを伸ばすことができる構成になっています。

また《探検の地図/Expedition Map》をある種のユーティリティースペルとして利用するために
《Maze of Ith》などのマナが出ない土地を大量に採用し
デッキの半分が土地と言う「土地単」と見まがう構成も特徴的です。


《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》や《虚空の杯/Chalice of the Void》が採用される
【MUD】の様に序盤の2~3ターンで勝負を決める程の速度はありませんが
中盤以降マナが伸びるにつれてキャストされる呪文の全てがゲームエンド級の破壊力を発揮するため
中速以下のスピードしか出せないデッキにとっては非常に厄介なデッキです。

序盤にこちらがマナ基盤を整えているうちにゲームを決めてしまうコンボ系のデッキが弱点ですが
サイドボード後は《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》や《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》のが投入され
従来の【MUD】に近い形に戻すことでこの弱点をカバーする事が出来ます。
妙な言い回しになりますが、このデッキは「赤茶単」から連綿と受け継がれた
『Tinker戦略』のハイエンドなのかもしれません。

《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》が登場し、中速デッキが増えたラヴニカへの回帰以降のレガシーに
適応し、対戦相手よりも強烈な呪文をキャストすることに特化して行き着いた先の異色形です。







いかがだったでしょうか?
普段紹介するデッキと使うマナ域が全く異なり、書いていて勉強になることが多い【MUD】でした。
レガシーで【MUD】の他に『Tinker戦略』(あるいは「ビッグマナ」)を標榜するデッキは
《老練の探険者/Veteran Explorer》を利用する「Nic Fit」が存在しこの二者を比較するのも面白いかもしれません

それでは皆様の良いレガシーライフを願って!




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