【第7回KMCデッキ紹介】 ~第22回KMC優勝・Death Blade~
今回は第22回デッキの優勝デッキ紹介を紹介します。が、その前に毎度毎度記事が遅くて申し訳ありません。
第22回KMCは47名と、前回に比べればかなりおとなしい規模でした。
・・・まあ前回の7回戦が異常なだけなのですがコンスタントに6回戦あるだけでも凄い事です。
筆者をはじめとして、多くの方がレガシーを毎回満喫できる大会になってきたということでしょう。
毎度主催のせれさんには頭があがりませんね。
さておき、第22回KMC決勝は関西レガシープレイヤー注目のマッチアップとなりました。
前回優勝者のヤブウチさんが再び決勝卓に座り、KMC連覇なるかが焦点となりました。
対するは、タマダリョウイチさん、かつて日本選手権ベスト8を2回経験した強豪
そしてレガシー界でも日本レガシー選手権とエターナルフェスティバルでベスト8を誇る強豪
何より毎月のKMCにベスト8の指定席を持つと噂されています。
ヤブウチさんは連覇が、タマダさんもやはりKMC2勝目がかかった決勝戦
リソースの削りあいの末に優勝したのはタマダさんでした。
Player Name:Tamada Ryouichi
Deck Name:デスブレイド
Deck Designer:
/Creature
4《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》
4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
1《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
1《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
/Spells
4《渦まく知識/Brainstorm》
4《Force of Will》
4《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
3《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
2《思考囲い/Thoughtseize》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》
2《呪文貫き/Spell Pierce》
2《未練ある魂/Lingering Souls》
1《思案/Ponder》
1《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》
1《殴打頭蓋/Batterskull》
/Lands
3《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
2《汚染された三角州/Polluted Delta》
2《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
3《不毛の大地/Wasteland》
2《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》
2《Tropical Island》
2《Underground Sea》
1《Savannah》
1《Bayou》
1《Scrubland》
1《Tundra》
1《Karakas》
■Sideboard
2《突然の衰微/Abrupt Decay》
2《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2《虐殺/Massacre》
1《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
1《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》
1《概念泥棒/Notion Thief》
1《呪文貫き/Spell Pierce》
1《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
1《思考囲い/Thoughtseize》
1《壌土からの生命/Life from the Loam》
1《森の知恵/Sylvan Library》
1《拘留の宝球/Detention Sphere》
タマダさんが駆ったのは死儀礼デッキのなかでも、最近流行のデスブレードでした。
デスブレードと言うデッキは、エスパー石鍛冶に《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を足したもの
BUGをメインに《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》をタッチしたもの
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》からの2ターン目《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》を主軸に据えたアグロなものまで細かく分類できますが果たしてタマダさんのデッキは・・・?

4枚ずつの《渦まく知識/Brainstorm》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》に3枚の《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をエスパー石鍛冶から受け継ぎつつ
マナ加速である《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》も4枚採用していますが他は1~2枚に抑えています。一見するとどっちつかずな中途半端な枚数ですが、スペルを散らすことでデッキの柔軟性向上を図っています。
柔軟性がある一方で、枚数が少ないスペルの使いどころが難しくなっています。
例えば2枚しかない《思考囲い/Thoughtseize》は、相手の次の行動を潰すためにすぐに使うのか
ゲームを決める《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を通すための安全確認のために温存するのか考えなければなりません。
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》に到っては1枚しかないので、どれをフラッシュバックするかよく考えないといけませんね。
この様に《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》以外の部分ではアドバンテージを取るのが難しくなっている構成ですがその分、幅広く脅威に対処できるようになっています。
追加の除去⇒《突然の衰微/Abrupt Decay》
手札破壊⇒《思考囲い/Thoughtseize》
打ち消し⇒《呪文貫き/Spell Pierce》なっているのがポイントです。

《突然の衰微/Abrupt Decay》が出来ないカード、つまり4マナ以上のカードを落とせたり打ち消しやすい様
相補的な組み合わせになっています。
そしてこれらで間に合いにくいクリーチャーは4枚の《剣を鍬に/Swords to Plowshares》で対処でき
逆に《剣を鍬に/Swords to Plowshares》で対処できない様なカードは
《突然の衰微/Abrupt Decay》・《思考囲い/Thoughtseize》・《呪文貫き/Spell Pierce》で
対処できる様になっています。
この様にデッキ全体での対処能力に重点が置かれた構成は4色デッキならではとも言えるでしょう。
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》に次ぐクロックとして採用されているのは
《未練ある魂/Lingering Souls》と《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》になっています。

どちらもPWを落としやすいクロックであり、除去しづらいクロックです。
これらは《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》+《剣を鍬に/Swords to Plowshares》要する青白系統のデッキから《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》デッキのBUG系統のデッキまで
多くの青いコントロールデッキに対して強くこれらトップメタのデッキ群を意識しているみたいですね。
柔軟性を求めたメインデッキに対してサイドボードは、メインボードで枚数を足りない部分を補うカードが
多くの種類散らされています、その多くが多くの役割を兼任しています。
これもメイン同様、限られた枚数内で柔軟性を上げる手法です。
サイドカードの中では、《突然の衰微/Abrupt Decay》は置き物を確実に対処するために
《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》は墓地利用デッキ相手に
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》頼みにならない様に・・・
《虐殺/Massacre》はマーベリックの《ルーンの母/Mother of Runes》+《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》嵌めに対抗する為に意識して2枚取ったものだと思います。

残りの1枚差しカードはどれも2枚は欲しくないけど、効果的な相手に1枚引けば強いものばかりです。
中でも《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》は渋いチョイスですね。

大昔のレガシーでは流行ったんですが、今ではバタースカル《殴打頭蓋/Batterskull》と言う
狂ったライフリンクがいるので見向きもされないカードだったのですが理にかなったサイドボードです。
《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》相手にはライフを補てんしつつ一方的に返り討ちにでき
《罰する火/Punishing Fire》1回では死なず、普通のビートダウン相手に普通にダメージレースを制し
《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》や《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》もがっちりキャッチしつつ
《稲妻/Lightning Bolt》1枚では死なず、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》によって
2ターン目に出せるサイドカードの《森の知恵/Sylvan Library》と相性が良い、といたせりつくせりです。
《拘留の宝球/Detention Sphere》はSnTコンボ、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》から
《未練ある魂/Lingering Souls》のトークンまで、ほぼあらゆるパーマネントを対処可能です。
《森の知恵/Sylvan Library》はアドバンテージ勝負を《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》より
軽いマナ域で開始でき《漁る軟泥/Scavenging Ooze》は追加のクロックであり
《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》に対する防御壁でもあります。
そして《呪文貫き/Spell Pierce》と《思考囲い/Thoughtseize》の追加分は言わずもがなの汎用カードです。
残りの《概念泥棒/Notion Thief》《壌土からの生命/Life from the Loam》《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》は
若干尖ったサイドですが、どれも効果は強烈です。

《概念泥棒/Notion Thief》はアドバンテージ獲得を一方的にロックし《壌土からの生命/Life from the Loam》はマナベースを巡る攻防を一方的にします、どちらもゲームの天秤を確実に有利へ傾けるのは間違いない効果です。
《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》は他の墓地対策を封じられた時の保険です。
このデッキの他の墓地対策はどれも起動型能力なので《真髄の針/Pithing Needle》で封じられてしまいます。
これでは墓地利用コンボデッキ相手にしたときに不安なので、種類を散らすために墓所を採用しているわけです。
ところで《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》含め、墓地対策が8枚も採られているのは
現在のレガシーでは珍しいですがこれも柔軟性を意識した構成の弱点を補うものだと思っています。
「丸いカード」で発掘デッキの様な「尖った墓地利用」に対抗するのは難しいので
きっちり墓地対策をしてある、というわけです。
とは言えマナが出る《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》にクロックである《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
ドローが付いた《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》を採用している辺りに
カードの汎用性を追求しているのが見えるのは面白いですね。
タマダさんはKMCでは、初めは赤単ペインター、次いでRUGデルバー、さらにOmni-Tellと
常にその時々のレガシー環境で強いデッキを使っていました。これらに続けて披露されたこのデスブレード。
現在のレガシーで強いデッキであるのは、KMC優勝の結果から間違いありません。
4色総動員してあらゆる脅威に対処し、対抗するデスブレード、今後も要注意のデッキです!
(dome/記者ブログ)
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